2023 Fiscal Year Annual Research Report
機械学習を応用した咀嚼機能低下を精度高く検出する新規検査方法,評価基準の開発
Project/Area Number |
21K09977
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
水口 真実 岡山大学, 大学病院, 医員 (20634489)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
水口 一 岡山大学, 大学病院, 講師 (30325097)
三木 春奈 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (60739902)
小山 絵理 岡山大学, 大学病院, 医員 (60779437)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 咀嚼機能 / 筋電図 / オーラルフレイル |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,咀嚼機能の低下を簡便に精度高く検出する手法を,食事時の筋電図データから解明することを目的とした。しかしながら,新型コロナウイルスにより高齢者への接触制限等があり,当初予定していた高齢者を対象とした臨床研究の遂行は困難であった。そのため,咀嚼運動と同様の口腔機能である各種下顎運動を行った際の筋電図データを機械学習にて解析,識別する手法に着目し,咀嚼運動に類似した運動時の筋電図データを,機械学習によりどの程度識別することが可能か検討した。 適格基準を満たした健常者12名に意識下にて,各種下顎運動(歯の接触を伴う歯ぎしり運動 (BMwTC),歯の接触を伴わない歯ぎしり運動(BMwoTC)および非歯ぎしり運動 (non-BM))を行わせた。EMGは咬筋,舌骨上筋,顎下部,頤部および頸部から,皮膚伝達音は咬筋部から,polysomnographならびにvoice recorderを用いてそれぞれ1kHz,44.1kHzにて睡眠研究室内のシールドルームで記録した。得られた筋電図は長さ100 ms,シフト長50msのハミングウィンドウを使用し,隠れマルコフモデルを使用してシングルストリーム(SS)ならびにマルチストリーム(MS)モデルを用いてテストされた動作を他の動作から識別させた。トレーニングとテストにはleave-one-out法を用い,11名のデータをトレーニングとし,残りの1名のデータをテストとした。識別精度は,感度,特異度および調和平均値にて評価した。 SSモデルでは,咬筋EMGの識別精度が最も高い調和平均値を示した。MSモデルでは,SSモデルよりも高い精度が示されたが,BMwoTCの調和平均値は0.5未満であった。機械学習ベースの識別システムでは,咬筋EMGを使用してBMwTCと非BMの識別に関しては高い精度を示すことが明らかとなった。
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