2022 Fiscal Year Research-status Report
抗菌性および抗真菌性を有し治癒促進効果を持つ粘膜調整材の開発
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21K09981
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
篠原 綾乃 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (10749394)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
バラネザハド 有礼左 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 助教 (00608870)
尾立 哲郎 長崎大学, 病院(歯学系), 講師 (70513167)
高瀬 一馬 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 客員研究員 (90736836)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 粘膜調整材 / ラクトフェリン |
Outline of Annual Research Achievements |
国内外の研究において、粘膜調整材の理工学的性質や機能的効果、抗菌性に関する研究は見受けられる。しかしながら、生物学的薬理学的に粘膜の治癒促進機能が付与され、さらに十分な耐久性と抗菌性・抗真菌性を有する粘膜調整材の実用化はなされていない。 ラクトフェリンはアミノ酸分子量83,000残基からなる鉄結合性のタンパクであり、強力な抗菌活性を持つことが知られている。研究代表者らは、これまでの研究でラクトフェリンが線維芽細胞の増殖を促進しコラーゲン遺伝子発現を向上すること、さらに亜鉛を添加することでさらに向上し創傷治癒を促進する可能性を明らかにした。 本研究ではラクトフェリン-亜鉛を徐放するシステムを開発・搭載することで、粘膜調整材に治癒促進機能および抗菌性・抗真菌性等の多機能性を担持させることを目的としている。 本年度はアルギン酸を基材として、ラクトフェリンを添加したマイクロスフィアの作製を行い、粒径や溶出量等の物性を評価しているところである。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
亜鉛の添加、溶出量の測定に時間を要しており、評価が完了していないためやや遅れていると評価した。
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Strategy for Future Research Activity |
ICP-MSを用いて亜鉛の溶出量を評価する予定であり、その後は歯肉線維芽細胞を対象として、細胞培養試験を行い、さらに活性酸素種および抗酸化遺伝子発現の変化から、その効果を考察する。
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Causes of Carryover |
マイクロスフィアへの亜鉛の添加帳の調整および溶出量測定に時間がかかっており、予定していた細胞培養試験およびrt-PCRに係る消耗品の購入が先送りになったため。今後、実験遂行に必要な器材および消耗品の購入に使用する。
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