2023 Fiscal Year Annual Research Report
高齢者の口腔機能・食欲・体組成に着目した要介護へ至るフレイルサイクルの解明
Project/Area Number |
21K09985
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Research Institution | Showa University |
Principal Investigator |
佐藤 裕二 昭和大学, 歯学部, 名誉教授 (70187251)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
桑澤 実希 昭和大学, 歯学部, 講師 (10343500)
古屋 純一 昭和大学, 歯学部, 教授 (10419715)
大澤 淡紅子 (奥山淡紅子) 昭和大学, 歯学部, 助教 (90585788)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 高齢者 / オーラルフレイル / 口腔機能低下症 / 訪問診療 |
Outline of Annual Research Achievements |
オーラルフレイルから要介護へ至る過程では口腔機能低下症と診断される可能性や,入院状態になる可能性が高い.そこで2023年度は,オーラルフレイルと回復期に着目し研究を行った.オーラルフレイルは高齢者の低栄養や要介護リスクとの関連が報告されており,早期から患者が自分事として捉え,口腔機能のセルフケアに取り組むことが重要であり,オーラルフレイルチェックリストを用いたセルフチェックが推奨されている.一方,チェックリストによってリスクありと判定された場合,歯科医院では口腔機能低下症の検査を行うことになるが,両者の関連性については十分には明らかになっていない.本学を受診し,口腔機能低下症の検査を受けた98名の調査では,オーラルフレイルチェックリストと口腔乾燥,咬合力,歯数,舌口唇運動機能(タ,カ),咀嚼機能に有意な正の相関関係,嚥下機能と該当項目数に有意な負の相関関係を認め,OFI-8は口腔機能低下症の検査値や該当項目数とも有意な関連があった.特に,低・中リスク群間の比較では,咀嚼機能と該当項目数に有意な差を認め,オーラルフレイルチェックリストは咀嚼機能低下と口腔機能低下症の重症化の検出に有用である可能性が示唆された.また,回復期入院患者375名を対象とした調査では,食形態は常食が多い一方で,栄養状態はやや不良であった.嚥下機能は口腔問題レベルが多く,現在歯数は平均18本とやや少なく,OHATは平均3点で,義歯の問題を多く認めたことから,食形態と摂食嚥下機能や口腔機能との乖離が示唆された.回復期は全身状態が安定し,入院期間も長期であるため,集中的な歯科医療を行う好機である.回復期リハビリテーションの目的である自立度の維持・向上には,低栄養改善に加えて,摂食嚥下リハビリテーションや義歯治療等の口腔機能の管理が重要となる可能性が示唆された.
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Research Products
(6 results)