2022 Fiscal Year Research-status Report
金属積層造形による内部ラティス構造が部分床義歯フレームワークの特性に及ぼす影響
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21K09987
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Research Institution | Tokyo Dental College |
Principal Investigator |
山下 秀一郎 東京歯科大学, 歯学部, 教授 (80242212)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 金属積層造形 / 部分床義歯 / フレームワーク / 内部構造 |
Outline of Annual Research Achievements |
1.本研究の目的:近年、金属粉末をレーザーにて積層する方法(Selective Laser Sintering: SLS)が急速な進化を遂げ、部分床義歯のメタルフレームワークの製作にも適用されるようになった。SLSで製作したコバルトクロム(以下Co-Cr)合金は、均質な微細構造や優れた機械的特性を示すことが報告されており、複雑な形状や内部構造を付与することも可能としている。メタルフレームワークにおいては、構成要素によって求められる機械的特性が異なる。そこで本研究は、部分床義歯のフレームワークの構成要素に最適な構造特性を付与することを目的として、SLSで付与した内部構造がCo-Cr合金の機械的特性に及ぼす影響を検討することとした。 2.研究実績:円柱状ダンベル型試験片の3Dデータを、ISO22674: 2016に基づき設計した。設計データより、Casting、Milling、SLS充実型、SLS中空型の4条件で試験片を製作した。SLS中空型は、試験片の平行部の長軸方向に1辺0.25mm、長さ18.0mmの六角柱の中空構造を付与した。 3.研究成績:引張試験から得られた応力ひずみ曲線から、 弾性率に関しては、Casting、Milling、SLS充実型、およびSLS中空型の4条件間で有意差は認められなかったが、SLS中空型では最も小さな値を示し、内部構造の付与により弾性率は減少することが判明した、最大引張強さと0.2%耐力に関しては、SLS充実型をCastingおよびMillingと比較すると、両測定結果ともに高い値を示した。一方、SLS中空型を同様にCastingおよびMillingと比較すると、最大引張強さにおいてMillingと近似した値であったが、0.2%耐力では高い値を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究環境が整い、順調に結果が得られている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、4条件で設計した試料20個全てに対してマイクロCTを用いて内部構造の観察を行ったのち、万能材料試験機を用いて引張試験を行い、弾性率、最大引張強さ、0.2%耐力、伸び率を測定する予定である。さらに、その後、破断面の観察を走査電子顕微鏡で行う予定である。
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Causes of Carryover |
(理由) 物品費とその他の経費が予定額を下回り,その差額分\64,438となったため,次年度使用額として生じた. (使用計画) 今後は研究で使用する金属材料費が高騰する可能性が考えられる.これらに対して次年度使用額を充当して研究を遂行していく予定である.
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Research Products
(1 results)