2021 Fiscal Year Research-status Report
咬合不調和によるIL-1βがアルツハイマー病を発症させる新規分子メカニズムの解明
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21K09990
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Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
鍛治屋 浩 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 講師 (80177378)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
大野 純 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (10152208)
都築 尊 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (70330967)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 咬合不調和 / 認知能低下 / IL-1β / 認知能抑制物質 |
Outline of Annual Research Achievements |
【目的】咬合不調和は、サイトカインやステロイドホルモンの分泌により末梢神経の活性化だけでなく,中枢神経系における神経伝達物質の放出にも影響することが報告されている.しかしながら、咬合不調和が認知能力に同様に関わるか明らかにされていない.そこで,我々は咬合性不調和の1つである過剰咬合がアルツハイマー型認知症関連分子の発現を介し認知能力を低下させるという仮説を立てた.本研究は,咬合不調和と脳内のサイトカイン発現,認知能制御分子の発現,及び学習・記憶認知能の影響との関係性を明らかにすることを目的とした. 【方法】若齢2ヵ月齢マウスと高齢12ヵ月齢マウスを用いて過剰咬合モデルマウスを作成後,マウスを無処置(コントロール)群、過剰咬合負荷後1週間群、4週間群に分け,認知能を行動学的認知能試験にて評価した。同時に、認知症関連分子の発現変化と海馬における局在性の違いに関して調べた. 【結果】過剰咬合負荷は,2ヶ月齢マウスでは負荷1週間後に血清および海馬でのIL-1βの発現を増加させ、同時に海馬領域でのアミロイドβ(1-42)とリン酸化タウの発現量が有意に上昇した。しかしながら、12ヶ月齢マウスでは負荷による変化はほとんどなかった.さらに、 2ヶ月齢マウスの社会的認知能および長期的認知能は,過剰咬合負荷1週間後に12ヶ月齢マウスのレベルに近い一過性の認知能低下を誘発し,その後の認知能抑制物質を排除する分子の発現の増加を介し、元の認知能レベル付近にまで回復した. 【結論】咬合不調和は血清や海馬においてIL-1βの発現が上昇し、同時にアミロイドβやリン酸化タウなどの認知能抑制分子の蓄積が誘発されることにより認知能の低下が起こる可能性示唆された。さらに、その後認知能抑制物質のクリアランスタンパク質の発現が増加することで,若齢では一過性に低下した認知能が、回復する傾向にあった.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究課題の成果を、国内学会において発表し、さらに外国論文による研究成果も報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
現在、アルツハイマー型認知症モデルマウスを使用した実験を遂行しており、本年度はこの成果を学会発表を行い、出来るだけ早く外国論文として発表する予定である。
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Causes of Carryover |
本年度、成果発表論文を2報投稿して、1報はオープンアクセスとして成果発表してその掲載料として使用する予定でしたが、査読により1報はリジェクトされ追加実験後に再投稿することになり、予定していた論文掲載料が不要になったため。さらに、予定していた学会参加もすべて、オンライン参加になったために旅費が不要になったため。 この繰越金は本年度の成果報告論文や成果発表のための旅費に使用を予定している。
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Research Products
(8 results)