2023 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能低下症とフレイルの縦断調査:口腔機能におけるフレイルリスク因子の解明
Project/Area Number |
21K09996
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
浜 洋平 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (40706933)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 口腔機能低下症 / 介護予防 / フレイル / サルコペニア / 低栄養 / オーラルフレイル / 咀嚼能力 |
Outline of Annual Research Achievements |
超高齢社会を迎えている我が国において、介護予防は喫緊の課題である。そのためには要介護になる前の、フレイルや口腔機能低下症の段階で適切な介入・支援を行い、機能の維持・向上を図ることが重要とされているが、口腔機能低下症とフレイルの縦断的な関連については検討が不十分である。そこでベースライン測定時の口腔機能低下症が1年後時点でのフレイル発症と関連するかを明らかにすることを目的として、前向きコホート研究を実施することとした。 評価項目はフレイル、口腔機能低下症の他、要介護関連因子として栄養摂取、サルコペニア、またそのほか関連因子として口腔関連QoL、認知機能、うつ、教育歴、収入などである。2023年9月までにベースライン測定200名を行う予定であったが、予定のペースを上回り、2022年1月-12月において、200名の測定をすることができた。その後、2024年3月までにおいて、147名の追跡調査を行い測定を終了とした。 まずベースラインデータから、口腔機能と介護予防関連因子の横断的な関係について解析を進め、2023年6月に学会発表、また12月には論文が採択された。本論文においては、栄養摂取と独立して咀嚼能力がフレイルと関連することが示され、咀嚼能力を高く保つことがフレイル予防に寄与する可能性が示唆された。 本研究の特徴として、介護予防と関連する様々な要因を多く評価しているために、口腔機能と介護予防関連因子について網羅的な探索的検討を行うことができることが挙げられる。今後、本研究のデータを解析して、新たな知見が得られることが期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究開始前の予定では、2024年9月までに180名の追跡調査を実施する予定であった。2024年3月時点で147名の追跡調査を終えており、おおむね順調に進呈していると考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
初年度において201名測定しており、追跡調査で147名の測定を終えた。残りの54名は連絡が取れなくなった、また追跡調査の参加同意が得られなかったなどの理由から測定は困難である可能性が高く、現時点のデータで解析を進める予定である。本研究の成果から学会発表、論文作成を進める予定である。
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Causes of Carryover |
順調に測定を進めることはできたが、最終的な参加者数は期間が終了するまで確定できなかったため、研究費には若干の余裕を持たせて、進めていた。今後、学会発表や論文作成も行う予定であり、そのために研究費を使用する予定である。
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