2023 Fiscal Year Annual Research Report
歯周病ならびに咀嚼機能低下が関節リウマチに及ぼす影響についての大規模縦断研究
Project/Area Number |
21K09999
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
來田 百代 大阪大学, 歯学部附属病院, 医員 (10733082)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
小久保 喜弘 国立研究開発法人国立循環器病研究センター, 病院, 特任部長 (20393217)
小野 高裕 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (30204241)
高阪 貴之 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (40755360)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯学 / 歯数 / 循環器病 |
Outline of Annual Research Achievements |
歯数と循環器病発症との関連 都市部地域住民を対象とした吹田研究の参加者で,2005年4月から2010年8月までの間にアンケートの歯数を含む基本健診を行った3,196名(39~96歳,男性1,373名,女性1,823名,平均年齢65.9±11.0歳,平均追跡期間6.6±2.0年)を対象とした.残存歯数をアンケートにより評価し,20歯未満/以上の2群に分類した.対象者の循環器病発症(脳卒中と虚血性心疾患)について追跡し,追跡期間は2013年12月31日までとした.残存歯数と循環器病発症との関連を明らかにするために,残存歯数を説明変数,循環器病発症を目的変数,調整変数に血圧,総コレステロール,HDLコレステロール,空腹時血糖,BMI,喫煙・飲酒習慣,高血圧症・脂質異常症・糖尿病の有無を用い,Cox比例ハザードモデルによる多変量解析を行なった.次に,高血圧症の有無で二つのサブグループに分け,同様の解析を行なった(高血圧症:男性577名,女性641名,正常血圧:男性796名,女性1,182名).本研究における追跡人年は,21,206人年であった.全体の中で128名が循環器病を発症し,そのうち75名が脳卒中,53名が虚血性心疾患であった.多変量解析の結果,正常血圧の女性において,循環器病発症の危険因子で多変量調整を行った上でも,残存歯数と循環器病発症との間に有意な関連を認めた(ハザード比:3.83,95%信頼区間:1.18-12.42, P=0.025).一方,男性においては,いずれの解析においても,残存歯数と循環器病発症との間に有意な関連を認めなかった.本研究より,女性において残存歯数が少ないと,将来的な循環器病発症のリスクとなる可能性が示された.
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