2021 Fiscal Year Research-status Report
生体にやさしいポリエーテルエーテルケトン(PEEK)複合型修復物の開発
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21K10002
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
下江 宰司 広島大学, 医系科学研究科(歯), 准教授 (90379884)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
加来 真人 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (10325194)
平田 伊佐雄 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (40346507)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | PEEK / 歯冠用コンポジットレジン / 義歯床用アクリルレジン / 接着 / 機械的維持 / プライマー |
Outline of Annual Research Achievements |
PEEKと歯冠用コンポジットレジン、義歯床用アクリルレジンによる複合型修復物の臨床応用に向け、特に結合強さと長期耐久性の向上を目指し、まず,「有効な機械的維持の検討」を行なった. まず,歯冠用コンポジットレジン、義歯床用アクリルレジンそれぞれの接着強さについて,アルミナブラスト,濃硫酸,レーザーによる格子状の溝によるPEEK表面の機械的維持の有効性を確認した.その結果歯冠用コンポジットレジン、義歯床用アクリルレジンともに,海外の報告で一番有効であるとされている濃硫酸は効果はあるがアルミナブラストと差はなく,その2つよりレーザーによる格子状の溝による機械的維持のほうが明らかに高い値を示した. また,通常臨床で多用されているアルミナブラストについて最大の効果が見込める条件を明らかにするため,ブラスト圧を0Mpaから0.4MpaでPEEK表面に機械的維持を付与し,歯冠用コンポジットレジン、義歯床用アクリルレジンそれぞれとの接着強さを計測した.その結果,歯冠用コンポジットレジン、義歯床用アクリルレジンともに0.2Mpa以上で明らかに高い値を示したが,0.2Mpaから0.4Mpaでは差は認められなかった.今後はアルミナ粉末粒径についても検討していく予定である. さらに「有効な化学的処理の検討」についても,PEEKの接着における機能性モノマー含有プライマーの化学的相互作用をXPSを用いて分析した.その結果,すべてのプライマーにおいて,プライマー処理のみではPEEK表面に吸着せず,光重合を行うプライマー は,試料表面に新たな重合層が形成されていた. 次年度も,残りの「有効な機械的維持の検討」を行い,「有効な化学的処理の検討」についてさらにすすめていく.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
まず1つめの課題である「有効な機械的維持の検討」について概ね大きなところの確認を終えることができた.まだ細かなところは実験が必要であるが,次の課題である「有効な化学的処理の検討」に着手しており.全体としてはおおむね順調に進展していると言える.
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Strategy for Future Research Activity |
「有効な機械的維持の検討」を行い,レーザーによる格子状の溝のグループの値が高いことが明らかになったが,現状のシステムにおいてまだ一般的ではない.ただ海外で最も有効とされる濃硫酸とアルミナブラストが同じ効果であることを確認できたので,さらに効果の見込める条件を模索しつつ,次の課題である「有効な化学的処理の検討」をすすめる.
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Causes of Carryover |
物品の購入予定が変更になり、またコロナで旅費が大きく減少した.使用計画については今年度着手できなかったアルミナ粒径の違い等の実験を行うとともに、それに伴う消耗品、また機器類の消耗品等を購入する。
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Research Products
(6 results)