2023 Fiscal Year Annual Research Report
先端ナノ解析技術を融合したカップリングモノマーの可視化
Project/Area Number |
21K10018
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
西川 悟郎 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (00172635)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
長岡 紀幸 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70304326)
丸尾 幸憲 岡山大学, 大学病院, 講師 (60314697)
吉原 久美子 国立研究開発法人産業技術総合研究所, 生命工学領域, 主任研究員 (90631581)
入江 正郎 岡山大学, 歯学部, 博士研究員 (90105594)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | シランカップリング剤 / ハイブリッドレジン / 蛍光タンパク |
Outline of Annual Research Achievements |
CAD/CAM冠用材料などに用いられるハイブリッドレジンは,レジンセメントとの接着に際しカップリングモノマーを塗布することによって化学的結合力の強化が図られる.カップリングモノマーとハイブリッドレジンとの結合状態を評価する方法としてXPSによる分析方法があるが,ハイブリッドレジンは材料中にメタクリレート樹脂が存在するためにXPSによる評価は困難である.また各ハイブリッドレジンの材料中には製品独自のフィラーなどが含まれるため,同一材料内であってもカップリングモノマーの結合が一様とは考えにくく,樹脂上におけるモノマーの付着状況は不明であった.そのため,これまでの研究ではカップリングモノマーとハイブリッドレジンの結合状態の評価は,レジンセメントとハイブリッドレジンの間の接着強さを指標として間接的に評価されてきた. 申請者らは,ハイブリッドレジン上のシランカップリングされた領域におけるカップリングモノマーの結合様態を,カップリングモノマーに蛍光タンパクを標識させ,蛍光顕微鏡で観察する方法を利用して可視化する方法を考案した.この方法を実際に開発し,これらの成果を基に,試料表面に蛍光タンパクのラベリングを行い,SEM,XPS解析と共焦点レーザー顕微鏡観察などの種々の観察方法への対応を可能とした試料を得るための,薄膜化したハイブリッドレジン試料の試作を行った.試作した薄膜化試料を用いて TEM, STEM, EDS解析像を行うことにより,蛍光タンパクのラベリング領域とこれらの画像のマッピングを試みた.
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