2021 Fiscal Year Research-status Report
変形性関節症におけるエピジェネティクスを介したWISP1遺伝子発現制御機構の解明
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21K10019
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Research Institution | Okayama University |
Principal Investigator |
前田 あずさ 岡山大学, 医歯薬学域, 助教 (70754662)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
窪木 拓男 岡山大学, 医歯薬学域, 教授 (00225195)
大野 充昭 岡山大学, 医歯薬学域, 准教授 (60613156)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 変形性関節症 / WISP1 |
Outline of Annual Research Achievements |
世界でも群を抜いた高齢化率を示している我が国において,医療費や介護給付費による財源圧迫を回避すべく健康寿命の延伸は喫緊の課題であり,国民が要支援となる最大の原因である変形性関節症 (OA) の発症原因や予防法の解明は,臨床的・医療経済学的に大変意義深い.これまでに変形性関節症の原因遺伝子のひとつとされているWISP1遺伝子に着目し,WISP1遺伝子の発現抑制下では変形性関節症の進行が抑制されることを証明してきたが,本研究では,変形性関節症の予防法の確立を視野に入れ,変形性関節症を発症した関節軟骨でWISP1遺伝子がどのように発現制御されているのか解明することを目的としている. ヒト間葉系幹細胞 (hBMSCs) の軟骨分化過程ではDNAメチル基転移酵素 (DNMT3A) が高発現しており,DNMT3Aを強制発現させたhBMSCsでは軟骨分化が促進されることがわかっているが,軟骨細胞分化に伴い発現することが確認されているWISP1遺伝子が,軟骨細胞分化過程においてどのようにDNAメチル化修飾の影響を受けるのかを検討した.DNAメチル化阻害薬である5-aza-2-deoxycytidine (5-aza) で24時間処理したhBMSCsをマイクロマス培養法にて21日間培養し,軟骨細胞分化過程におけるWISP1遺伝子の発現パターンを定量性RT-PCR法にて評価したところ,コントロール群と比較して5-aza処理群ではWISP1遺伝子の発現は低下しており,脱メチル化によりWISP1遺伝子の発現が低下することが確認された.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初計画していた通り,軟骨細胞分化に伴い発現することが確認されているWISP1の遺伝子発現が,軟骨細胞分化過程におけるDNAメチル化修飾にどのような影響を受けるのか検討できた.
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Strategy for Future Research Activity |
今後は,OAモデルマウスの軟骨組織を用いて,OA発症にかかわるDNAメチル化の網羅的解析を行い,更にWISP1遺伝子のどの部分にメチル化修飾が生じているのかを特定する.また,特定された領域を脱メチル化することで,WISP1遺伝子の発現を抑制し,軟骨細胞分化に与える影響を検討する.
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Causes of Carryover |
令和3年度の予算として調査研究のための旅費を計上していたが,コロナ禍による行動制限のため出張できず,また細胞実験がスムーズに進行したため次年度使用額が生じた.次年度のOA発症にかかわるDNAメチル化の網羅的解析に必要な費用に充当する予定である.
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