2023 Fiscal Year Annual Research Report
Development of an intelligent matrix for controlled drug-release system by minimally invasive external stimulus
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21K10023
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Research Institution | Nagasaki University |
Principal Investigator |
阿部 薫明 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40374566)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
高田 知哉 公立千歳科学技術大学, 理工学部, 教授 (00342444)
兵野 篤 旭川工業高等専門学校, 物質化学工学科, 助教 (20554299)
江良 裕子 埼玉県立大学, 保健医療福祉学部, 助教 (00825309)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | ハイドロゲル / 薬剤徐放 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究では、外部刺激としての赤外光に応答して「必要なタイミング」で「必要な量」の薬剤を放出可能な「インテリジェントDDSを目指した赤外応答性ハイドロゲルの開発」の開発を試みる。典型的な温度応答性ポリマーとは異なり、温度上昇によりゾルへの相転移を示す、Upper Critical Solution Temperature(UCST)型のポリマーを用いる事で、加温により内包した薬剤が放出されるシステムを構築する。このシステムを外部刺激により効率的に動作するため、赤外光照射に対して高い発熱応答を示すカーボンナノチューブと融合する事により、赤外光を照射した部分のみが速やかにゾルへと相転移を示し、薬剤を放出するを試みる。 本課題の熱上昇により可塑化するUCST型温度応答性ポリマーの試作については、N-イソプロピルアクリルアミド、ポリエチレングリコールに架橋剤としてメチレンビスアクリルアミド、更に物理的な架橋剤として12タングストリン酸を混合した水溶液を作成し、重合させることにより、目標としたゲルが得られた。得られたゲルは反応終了後には温度降下に伴い、白濁することが確認された。透過率測定により、ポリエチレングリコール含有量の増加に伴い相転移温度が低下するUCST型のゾル-ゲル転位応答を示すことが確認された。ゲル相転移温度を跨いだ温度変化を加える事により可逆的なゾル-ゲル相転移が観察された。 更に、薬剤モデル化合物として水溶性色素であるローダミンBを用い、熱応答に伴う薬剤徐放についての検討を行ったところ、過熱による薬剤モデルの放出が確認された。また、カーボンナノチューブ(CNT)をニトロベンゼン中へと分散し、コハク酸無水物を添加する表面化学処理により、水溶液への分散が可能となった。このCNT誘導体を上述で得られたゲルへと含有させたところ、赤外光照射による効率的なゾル-ゲル相転移を示した。
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