2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔腫瘍術後に早期顎補綴を可能にする3D造形の臨床応用
Project/Area Number |
21K10033
|
Research Institution | Aichi Gakuin University |
Principal Investigator |
尾澤 昌悟 愛知学院大学, 歯学部, 教授 (50323720)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松川 良平 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (40645735)
吉岡 文 愛知学院大学, 歯学部, 講師 (50468998)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 顎顔面補綴 / CAD/CAM |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はデジタル技術を顎顔面補綴治療に応用して、悪性腫瘍の切除から顎欠損に至るシミュレーション技術の向上や、実際に顎義歯や口腔内装置をCAD/CAMにより製作することを目指している。一般的には顎顔面補綴治療の症例数は少ないが、患者にとっては顎欠損による機能障害は重篤であり、腫瘍切除が成功してもその後の社会生活に大きな影響を与えている。顎義歯の製作は、通常の義歯とは異なり印象法や使用する材料も特殊であり、製作するための複雑な工程も時間がかかる要因となっている。デジタル技術により早期の顎補綴治療を実現し、印象操作等による患者の苦痛を取り除くとともに、より早い社会復帰の実現を目指すための研究である。 研究初年度では、患者情報であるCT画像や歯列模型スキャンデータを融合させて、3次元での手術シミュレーションを行い、実際に手術に行う口腔内装置を製作した。CTデータからの3次元構築画像を3Dソフトにて合成し,更に3Dデザインソフトを使用して手術シミュレーション後の3次元モデルをインクジェットプリンタにて作成した。また、歯列模型を作らずに口腔内を光学印象する手法についても、顎欠損のある状態で口腔内スキャナを使って光学印象の精度を評価した。顎欠損部には粘膜組織のアンダーカットがあるため、光学印象には精度において欠損部の再現は困難であった。しかし、従来法のとのハイブリッドによって顎補綴製作へのワークフローを構築する第一歩になった。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
CAD/CAMにより顎義歯を製作して臨床応用するためには、プリントアウトが可能でさらに生体に応用できる材料が必要だが、現時点で薬機法により認可された材料はなく、代替できるような軟性の材料の検討が必要となった。 そこで直接的にCADで作ったものを義歯用材料にプリントアウトする方法ではなく、間接的にCADで鋳型を作成して後に、通常使用している軟性の義歯用材料を使用しようして製作する方法に変更する予定である。
|
Strategy for Future Research Activity |
手術後早期に顎義歯を製作するためには、外科的治療の担当医との密な連携を行い、術前の患者データの共有および、手術シミュレーションから実際にサージカルガイド、口腔内装置を製作することにより、早期の機能回復に繋げられる。この分野では既に市販のシミュレーションソフトや外注による製作が可能となっていることから、それらのサービスを利用しながら顎義歯製作に特化する手法について、ワークフローの整備と改善を行っていく。
|
Causes of Carryover |
コロナウィルス感染拡大により、学会発表等の旅費の出費がなかったことにより、差額が生じた。2022年度はシミュレーション解析ソフトの契約予定があり、当初の予算より使用額が増えると思われる。
|