2021 Fiscal Year Research-status Report
高純度ヒト骨髄間葉系幹細胞と生体活性3次元多孔質足場材料による顎骨再生療法の開発
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21K10042
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Research Institution | Shimane University |
Principal Investigator |
管野 貴浩 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (60633360)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
松崎 有未 島根大学, 学術研究院医学・看護学系, 教授 (50338183)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔顎顔面外科 / 顎口腔再生 / 骨髄間葉系幹細胞 / 顎骨再建 / 骨伝導能 |
Outline of Annual Research Achievements |
現在、顎骨再建外科において、広範囲におよぶ顎骨欠損部の回復には、自家骨移植が最も確実な再建治療法である。しかし外科的侵襲性は高く、組織工学的手法により、安全、効率的かつ効果的な顎骨再生治療の開発が、顎口腔の健康回復に必須であり、強く求められている。本研究は、①近年注目される超選択的単離による精製手法を用いた、高純度ヒト骨髄間葉系幹細胞を顎骨再生促進における患者由来の細胞リソースとして用い、②われわれが新規開発から明らかとした、高い生体活性力・骨伝導能を有し、さらに生体吸収性と熱可塑性に よる形態加工性、機械的強度を有する次世代型顎骨再生3次元足場材料と組み合わせることで、顎骨欠損患者への革新的新規顎骨再生治療法確立に向けた実験的基盤研究を目的としている。 今年度は、当初の研究計画の通りに研究を進めることとした。前述の研究目的の様に、研究分担者らと密接に研究連携し、ヒト骨髄液(Whole Bone Marrow)から超選択的単離手法により、高純度なヒト骨髄由来間葉系幹細胞の同定と単離培養を行い、その多分化能、増殖能、遊走能および骨形成能に関して新規足場材料との品質評価を行うことから本研究を開始した。超選択的単離手法については、われわれの研究報告に準じて作製を進めた。比重遠心から単核細胞分離を行い、単核細胞にした状態で幹細胞表面マーカーであるCD90/CD271 (LNGFR+ THY-1+) の抗体染色を行い、セルソーターを用いて共陽性の細胞をシングルセルソーティングした。その中で増殖の早いクローンを誘導ピックアップ単離し、高純度ヒト骨髄由来間葉系幹細胞 (Rapidly Expanding Clone)とした。 さらに、本研究の関連分野に関する研究課題や研究成果、学術知見に関して関連学会学術集会に参加し、情報収集に努め、本研究の今後の発展性と方向性を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
今年度は、当初の研究計画の通りに、超選択的単離手法については、われわれの研究報告に準じて作製を進めた。比重遠心から単核細胞分離を行い、単核細胞にした状態で幹細胞表面マーカーであるCD90/CD271 (LNGFR+ THY-1+) の抗体染色を行い、セルソーターを用いて共陽性の細胞をシングルセルソーティングする。その中で増殖の早いクローンを誘導ピックアップ単離し、拡大培養したものを高純度ヒト骨髄由来間葉系幹細胞 (Rapidly Expanding Clone) として本研究に用いるべく実施した。 概ね順調に、初年度の研究計画に合致する進行と成果が得られており、本研究状況と判断した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、当初の研究計画の通りに、超選択的単離手法によって得られた高純度ヒト骨髄由来間葉系幹細胞 (Rapidly Expanding Clone) から、さらにこれらLNGFR+ THY-1+群は、FACS評価から細胞集団をsubpopulationに細区分化(Low+ / High+)が可能であり、subpopulationごとの幹細胞増殖能および骨分化能に関して評価を進める。これには、In vitroにて新規3次元多孔質生体活性足場材料(βTCP/PDLLA/PGA)を用いて比較検討を行い、超選択性高純度幹細胞の本新規足場材料での骨再生能に関する有用性を評価検討することとして、今後の研究展開を計画している。
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Causes of Carryover |
研究費は、主にIn Vitro研究における消耗品の購入に充当し、また効率よく使用したため当初の予定よりも少額であった。しかし、今年度以降はIn Vivo研究を多く予定しており、今後も研究費を効率よく使用させていただく。国際学会を含め、可能な限りWebやオンラインでの情報収集により、研究費を無駄なく使用させていただく。
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[Journal Article] A Narrative Review of u-HA/PLLA, a Bioactive Resorbable Reconstruction Material: Applications in Oral and Maxillofacial Surgery.2021
Author(s)
Ngo HX, Bai Y, Sha J, Ishizuka S, Toda E, Osako R, Kato A, Morioka R, Ramanathan M, Tatsumi H, Okui T, Kanno T
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Journal Title
Materials (Basel)
Volume: 15
Pages: 150
DOI
Peer Reviewed / Open Access / Int'l Joint Research
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