2021 Fiscal Year Research-status Report
がん口腔支持医療における半夏瀉心湯の有用性を明らかにするための基礎及び臨床研究
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21K10059
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Research Institution | National Cancer Center Japan |
Principal Investigator |
上野 尚雄 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (90450832)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村上 直也 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医長 (00604282)
上園 保仁 東京慈恵会医科大学, 医学部, 教授 (20213340)
八岡 和歌子 国立研究開発法人国立がん研究センター, 中央病院, 医員 (20865208)
宮野 加奈子 東京慈恵会医科大学, 医学部, 准教授 (50597888)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔粘膜炎 / 半夏瀉心湯 / がん支持医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
国立がん研究センター中央病院における半夏瀉心湯の使用状況と、その有効性を知るための後ろ向き調査を行なった。 2017年2月~2020年9月までに国立がん研究センター中央病院で上咽頭、中咽頭、口腔に放射線治療を行い、歯科受診をしたがん患者のうち包括的同意が得られている患者を対象に、半夏瀉心湯の使用状況、および放射線性口腔粘膜炎の発症頻度とその重症度を調査した。頭頸部がん放射線治療において半夏瀉心湯の使用頻度は高いが、軽症例には使用せず重症例に多く使用する傾向が見られた。今後は半夏瀉心湯のハイレスポンダー群、ローレスポンダー群に相関する因子を網羅的に検索し、半夏瀉心湯の有効性に資するバイオマーカーとなりうる因子を見出すことを目指す。
放射線治療を受ける頭頸部がん患者を対象に、半夏瀉心湯の粘膜炎に対する有効性評価を目的とした無作為化比較試験の準備を行った。試験に使用するプラセボの作成の準備が整い、2022年7月頃を目処に患者のエントリーを開始できる環境を整えた。また後ろ向き調査の結果などから、サンプルサイズを70名と算出してプロトコールを作成した。現在IRB承認申請の準備中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
プラセボの準備に時間を要するなど、若干の遅滞はあるものの、全体としては概ね予定通りに進行している。
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Strategy for Future Research Activity |
本年度は、頭頸部がん放射線治療患者を対象とした半夏瀉心湯の粘膜炎に対する有効性評価を目的とした無作為化比較試験のプロトコールのIRB承認と、年度の半ばには実際に患者登録を開始できるよう準備を進める。最終年度半ばまでには患者登録を終え、結果を解析し論文化を目指す。 半夏瀉心湯の使用状況と、その有効性を知るための後ろ向き調査の結果の解析を進め。論文化を目指す。
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Causes of Carryover |
臨床研究に用いるプラセボ作成に時間がかかり、本年度で必要とされた金額が次年度での使用に延びたため。
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