2022 Fiscal Year Research-status Report
GFPマウス歯胚移植における歯根膜再生メカニズムの解明
Project/Area Number |
21K10061
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Research Institution | Tohoku University |
Principal Investigator |
中村 恵 東北大学, 歯学研究科, 講師 (20431512)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
笹野 泰之 東北大学, 歯学研究科, 教授 (30196191)
多田 浩之 東北大学, 歯学研究科, 講師 (70431632)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 歯胚移植 / GFPマウス / 歯根膜再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究はGFPマウス(ドナー)の歯胚を野生型マウス(レシピエント)の抜歯窩に移植し、移植後に再生された歯根膜がドナー由来(GFP陽性細胞)かレシピエント由来(GFP陰性細胞)かを明らかにすることを目的とする。さらに、再生された歯根膜に含まれる細胞を、ドナー由来のGFP陽性細胞とレシピエント由来のGFP陰性細胞とに分離し、網羅的遺伝子解析を行うことで、各細胞集団における発現遺伝子の特徴を明らかにすることを目指す。 初年度においては、GFPマウス歯胚を用いた歯胚移植モデルを確立した。これと並行して、組織学的検討に用いる組織サンプルの脱灰期間の検討を行った。しかしながら、脱灰期間の決定には至らず、次年度に再度検討することとした。 そこで当該年度においては、初年度に引き続き組織サンプルの脱灰期間の検討を行った結果、移植後1週・2週・3週に相当する週齢の野生型マウスの上顎組織サンプル(臼歯を含む)について、脱灰期間が各20日・25日・30日で薄切するのに問題ない硬さになることが判明した。次に、生後8日齢のGFPマウス歯胚を生後8日齢の野生型マウスの抜歯窩に移植して、移植後1週・2週・3週の時点で移植歯を含む上顎サンプルを採取し、固定後に上記期間脱灰を行い、パラフィン包埋したブロックを準備した。包埋ブロックを薄切してヘマトキシリン・エオジン染色を行い、歯根伸長、歯胚の成長、歯胚の向きなどの検討を行った。移植歯胚の歯根は概ね良好に伸長し、生後3週になると萌出した移植歯も見られたが、多くの移植歯で近心傾斜が認められた。次年度は移植歯の向きに注意しながら移植を行い、さらなる検討を行うこととする。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
4: Progress in research has been delayed.
Reason
動物飼育施設の改修工事が行われたことにより、動物実験が実施不可の期間が長期にわたったため、当該年度に実施予定であったフローサイトメトリー法による実験や網羅的遺伝子解析を行うことができず、本研究計画に大幅な遅れが生じた。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、当該年度に行う予定であったフローサイトメトリー法により移植後に再生された歯根膜中の細胞を選別し、ドナー由来であるGFP陽性細胞とレシピエント由来であるGFP陰性細胞に分離し、それぞれの細胞群からトータルRNAを抽出して網羅的遺伝子解析を行う予定である。
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Causes of Carryover |
当該年度においては、動物実験施設の改修工事に伴い、実験動物の飼育ができない、あるいは動物実験の実施ができない期間が長期に渡り存在したため、当初予定していた動物実験に使用するため申請していた経費が未使用となった。これらの未使用金額は、次年度に行うフローサイトメトリー解析と網羅的遺伝子解析、そして実験用マウスの飼育代として、次年度請求額と合わせて使用する予定である。
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