2021 Fiscal Year Research-status Report
PDE1を分子標的とした口腔悪性黒色腫新規治療法の開発
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21K10068
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20378368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悪性腫瘍 / Phosphodiesterase |
Outline of Annual Research Achievements |
Phosphodiesterase(PDE)は、細胞内シグナル伝達物質であるcAMPやcGMPの分解酵素であり、PDE1-11まであることが知られている。われわれはこれまでに、PDE1陽性である口腔悪性黒色腫細胞株を用いて検討し、PDE1が運動能に関与する可能性を示してきた。今回、他の口腔悪性黒色腫細胞株にPDE1を強制発現させ、悪性度への影響について検討した。細胞は、当教室で樹立した、ヒト口蓋悪性黒色腫由来PMP細胞を使用した。PDE1遺伝子をリポフェクション法で導入し、細胞増殖について検討した。ベクターはpcDNA3.1(Thermo Fisher Scientific)を、導入試薬はLipofectamine2000(Thermo Fisher Scientific)を使用した。細胞増殖の検討は、遺伝子導入後3日目にCell Counting Kit-8 (Dojindo)を使用して行った。リアルタイムPCRで発現量を確認したところ、PDE1mRNAの発現はプラスミドベクターのみ導入したものと比較し、約400倍に増加していた。PDE1陽性である腋窩リンパ節転移巣由来MAA細胞では、PDE1を阻害しても細胞増殖には変化がなく、運動能が抑制される。同一患者の原発巣由来PMP細胞では、PDE1を強制発現させても同様に細胞増殖に変化がなかった。以上のことから、口腔悪性黒色腫細胞において、PDE1は細胞増殖には関与していないものと考えられた。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
PDE1陰性である口腔悪性黒色腫細胞株にPDE1を強制発現させ、研究成果を日本口腔組織培養学会にて報告した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、PDE1安定発現細胞株を作製し、運動能や下流シグナルについて検討していく予定である。
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Causes of Carryover |
理由)遺伝子導入について、一過性トランスフェクションでの実験から、安定トランスフェクションでの実験に変更したため、トランスフェクション回数が少なく済んだため。 使用計画)安定トランスフェクションした細胞を維持するための試薬、消耗品が必要となるため、その費用にあてる。
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Research Products
(1 results)