2023 Fiscal Year Annual Research Report
PDE1を分子標的とした口腔悪性黒色腫新規治療法の開発
Project/Area Number |
21K10068
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Research Institution | Mie University |
Principal Investigator |
清水 香澄 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (20378368)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
村田 琢 三重大学, 医学部附属病院, 講師 (80242965)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 悪性腫瘍 / phosphodiesterase |
Outline of Annual Research Achievements |
Phosphodiesterase (PDE)は11種類(PDE1からPDE11)報告されており、 細胞内のcAMP、cGMP濃度を調整することにより様々な生理作用に関与している。われわれは抗腫瘍活性をもつDifferentiation-inducing factor (DIF)の哺乳類でのターゲット分子がPDE1であることを世界で初めて発見した。その後、PDE1が悪性黒色腫細胞で発現していること、さらにPDE1、PDE5両方の阻害効果をもつsildenafilが、PDE1を阻害することによってその運動能を抑制することを発見した。本研究ではPDE1を発現していない細胞にPDE1を強制発現させることによって細胞の増殖、運動能等の性質がどのように変化するかを検討した。 まず、PDE1を発現していないと考えられた口蓋悪性黒色腫PMP細胞についてreal-time PCRを行ったところ、PDE1Cのバリアントの一つであるPDE1C3が発現していることがわかった。同一患者の腋下リンパ節転移巣由来MAA細胞ではPDE1C1が発現していた。そこで、PDE1C1遺伝子およびPDE1C3遺伝子を組み込んだプラスミドをそれぞれ作製した。そして、PMP細胞にPDE1C1遺伝子、PDE1C3遺伝子をそれぞれ導入して強制発現させた。 次に、PDE1が細胞内に導入されて発現していることをreal-time PCR、western blottingで確認した。確認後、増殖能・運動能の変化、形態変化について検討したところ、PDE1C1遺伝子を強制発現させたPMP細胞では増殖能・形態に変化はみられなかったが、運動能が上昇していた。また、PDE1C3遺伝子を強制発現させたPMP細胞では増殖能・形態・運動能いずれも変化はなかった。 以上のことから、PDE1C1は口腔悪性黒色腫細胞の運動能に関与することが示唆された。
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Research Products
(2 results)