2021 Fiscal Year Research-status Report
大脳皮質拡延性抑制動物モデルを用いた、女性ホルモンによる片頭痛発症増悪機序の解明
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21K10069
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
工藤 千穂 大阪大学, 歯学研究科, 准教授 (20533110)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
丹羽 均 大阪大学, 歯学研究科, 教授 (30218250)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 片頭痛 / 大脳皮質拡延性抑制 / 女性ホルモン |
Outline of Annual Research Achievements |
片頭痛は激烈な頭痛発作を繰り返す疾患で、原因不明の歯痛や顔面痛を主訴として歯科を受診する場合も多いといわれている。片頭痛の発症メカニズムは未だ確立されていないが、髄膜に分布する三叉神経血管系及び大脳皮質拡延性抑制(Cortical Spreading Depression, CSD)との関与が最も有力とされている。疫学的に片頭痛の罹患率は女性が男性の3倍多く、年代別には思春期から更年期に起こりやすいこと、そして月経前後に悪化するといわれていることより、女性ホルモン、特にエストロゲンとの関連が示唆されてきた。しかし、生体内ではエストロゲンだけでなくプロゲステロンの血中濃度も月経周期に伴って変動しており、これらのホルモンが相互に作用している可能性も否定できない。そこで、本研究では、片頭痛動物モデルを使用し、これらのホルモンの血中濃度変動によるCSDや三叉神経血管系への影響について検討し、そのメカニズムについて明らかにすることを目的とする。 今年度は卵巣摘出手術の手技や必要な物品や薬剤について文献や動画で調べることに終始した。次年度からは実際に卵巣摘出ラットを作成し、エストロゲン、プロゲステロン投与による血中濃度変動をEIAキットにて確認し、投与方法を確立する。その後、ホルモン投与後のCSD発生頻度や痛覚伝導路の一次中継核である三叉神経脊髄路核尾側亜核および上部頚髄における、神経細胞活性化の指標であるc-Fos発現について検討していく予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
確実安全な卵巣摘出術の手技を習得するのに時間がかかってしまったため。
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Strategy for Future Research Activity |
卵巣摘出ラットにエストロゲン、プロゲステロンを投与し、電気生理学的手法、免疫組織学的手法により、片頭痛発症動物モデルに対するホルモン投与の影響について検討する。
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Causes of Carryover |
研究の進捗が遅れているため。 ラット、薬剤、機材購入に使用する予定である。
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