2022 Fiscal Year Research-status Report
腫瘍随伴 Macrophageによる口腔癌化学療法耐性獲得機構の解明
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21K10070
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
森田 祥弘 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (30590517)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鵜澤 成一 大阪大学, 大学院歯学研究科, 教授 (30345285)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔がん / 癌薬物療法 / 腫瘍関連Macrophage |
Outline of Annual Research Achievements |
令和4年度は、令和3年度と同様にマウス口腔癌細胞株であるSq1979細胞を用いて解析を行った。この細胞を10,000,000個/mlになるように調整し、そのうち50μlをC3H/HeNマウス の舌に接種した。この担癌マウスにシスプラチンを尾静脈から投与し、これを週に1回、2週間継続し、腫瘍を切除した。通法にしたがってパラフィ ン切片を作製し、組織学的検討を行った。 舌に形成した腫瘍においてシスプラチン投与群は非投与群に比較して、腫瘍間質に流入するTAMの増加を認めた。特にCD163陽性のM2-TAMが増加していた。さらに、切除した腫瘍組織からタンパク質を回収し、シスプラチンにより誘導された炎症性サイトカインを網羅的に解析する目的でAntibody-arrayを行った。その結果、シスプラチン投与群は非投与群に比較していくつかのM2-TAMとの関連性が報告されているCCL5やIL13の発現上昇を認めた。以上の結果から口腔癌に対する癌薬物療法により、CCL5やIL13などの炎症性サイトカインが増加し、腫瘍内にM2-TAMが増加することによりコラーゲン上昇などの組織構造変化をもたらされている可能性が示唆された。 今後は、この癌薬物療法による腫瘍内の組織構造変化をさらに分子生物学的に解析することで癌の薬物療法耐性獲得メカニズムの解明を目指す。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
抗癌剤による炎症性サイトカインの発現を示すことにより、癌薬物療法耐性メカニズムの一端を明らかにできた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、動物実験モデルの解析に加え、臨床検体を用いた解析も予定している。 また、癌薬物療法耐性メカニズムの分子生物学的な解析から得られた知見を元に、口腔癌の新規治療法の開発につなげたい。
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Research Products
(3 results)