2021 Fiscal Year Research-status Report
樹状細胞を新機軸とした骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態解明と新規治療法・予防法開発
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21K10074
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
梯 裕恵 九州大学, 歯学研究院, 共同研究員 (30452775)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
森山 雅文 九州大学, 大学病院, 助教 (20452774)
黒嶋 伸一郎 長崎大学, 医歯薬学総合研究科(歯学系), 准教授 (40443915)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 樹状細胞 / 骨吸収抑制薬 / 予防法 / 新規治療法 / 病態解明 / 顎骨壊死 / 骨吸収抑制薬関連顎骨壊死 |
Outline of Annual Research Achievements |
テーマは「樹状細胞を新機軸とした骨吸収抑制薬関連顎骨壊死の病態解明と新規治療法・予防法開発」であり、基礎研究と臨床研究の二本柱で進めている。 まず、免疫機能解析に関しては、以下の結果が得られている。1)ビスフォスフォネート製剤と抗癌剤を併用した高頻度発現型マウスBRONJモデルを開発。2)高頻度発現型マウスBRONJモデルに非培養Stromal vascular fraction細胞を移植すると、BRONJが緩解することが解明された。3)血管新生抑制は、BRONJの主原因とはならないことを証明した。また、MRONJに対する治療法は、病期分類に基づいた治療方針が示されてはいるものの、いまだ一定の見解はなく、近年は積極的な外科的治療を推奨する傾向にある。しかし、腐骨の分離が確実に得られるのであれば外科的治療の必要はなく、さらにMRONJ患者は癌の多発骨転移や、ステロイドの長期投与などで全身状 態が好ましくなかったり、患者自身が侵襲の高い治療法を望まないことも多い。 臨床研究として我々は、低侵襲な保存的外科治療を行っている。壊死骨周囲の歯肉切除や、露出壊死骨の可及的な削除による減量で洗浄を行いやすい形態にし、含嗽でも十分な洗浄効果が得られるように管理し、腐骨分離を促す低侵襲な治療である。壊死骨や腐骨の動揺が見られたり、画像所見で腐骨の分離が確認できたら、非病変部である周囲の骨や軟組織は掻爬せずに腐骨除去のみを行う。これを繰り返すことで残存骨は粘膜上皮に被覆され、周囲の骨を掻爬することなく治癒することが期待できる。本治療法は局所麻酔下に行うことができ、全身麻酔の設 備がない施設や、歯科医院でも可能な処置である。治療成績としては、全体の約9割が良好に経過しており、治癒症例の約6割が1年以内に治癒していた。両側に及ぶ症例や大きな腐骨を除去した症例、病的骨折を起こした症例にも有用であった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
データ集積が遅れている。
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Strategy for Future Research Activity |
高頻度発現型マウスBRONJモデルを用いて、さらなるONJ発現に関する要因を明らかにしていく。 臨床研究では、骨吸収抑制薬の休薬の意義に関しての臨床統計、新たな基準を確立していく。
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Causes of Carryover |
本年度内に予定の研究が終わらず、次年度に持ち越すため。
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