2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔組織幹細胞の免疫制御ネットワークにおける骨髄由来抑制細胞との相互作用の解明
Project/Area Number |
21K10105
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Research Institution | Kanagawa Dental College |
Principal Investigator |
田中 香衣 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (20431934)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
阿部 成宏 日本大学, 医学部, 助教 (00510364)
古村 眞 東京大学, 医学部附属病院, 特任教授 (10422289)
安部 貴大 神奈川歯科大学, 歯学部, 教授 (20383250)
小澤 重幸 神奈川歯科大学, 歯学部, 講師 (40434394)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 間葉系幹細胞 / 臍帯由来細胞 / スフィア / 骨再生 |
Outline of Annual Research Achievements |
先行研究として,東大医科研臍帯血・臍帯バンクより入手した臍帯を用いて,臍帯由来間葉系幹細胞(Mesenchymal stem cell; MSC)を調整し,培養系の確立を目指した。 至適培養条件を決定するために,以下の3群について検討した:A. 無添加培養液,B. L-グルタミン添加培養液,C: L-グルタミンおよびFGF-2添加培養液。その結果,C群において明らかに有意な細胞増殖を示した。また,継代に伴い,血球系マーカーの発現上昇と間葉系マーカーの発現減少を認め,長期培養による特性低下の可能性が示唆された。以上,臍帯由来MSCの分離・培養におけるフローサイトメトリーを用いた表面分子の解析によって,骨髄由来MSCと変わらぬ増殖能と多分化能を示すことが確認された。 次に,臍帯由来MSC(第3継代)を用いて,in vivoにおける骨分化能について検討した。我々は,MSCから成る3次元構造体(スフィア)を作製し,マウス頭蓋骨欠損部へ移植した。その後,マイクロCTを用いて移植部を確認したところ,石灰化を認め、臍帯由来MSCによる骨再生の可能性が示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
本学共同実験室におけるCO2インキュベーターが故障し,使用できなくなった。至急,業者に新品を発注しようとしたが,いずれの業者でもインキュベーターの生産を中止し,コロナワクチン保管用フリーザーの生産に切り替えているとのことで,入手できなかった。そのため,本学における研究遂行が困難となり,研究分担者たちと研究計画の変更について検討した。その結果,本年度は,臍帯由来MSCを用いた研究を進めることとし,同細胞が既知の他組織由来MSCと同様に,単離・培養・分化させることが可能であることが証明できた。また,臍帯由来MSCを用いて作成したスフィアを用いてin vivoにおける分化能を証明したことで,今後,本技術を用いてin vivoにおける免疫調節能の解析を行う準備を整えることが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
臍帯由来MSCの単離・培養方法は確立し,in vitro/in vivoでのスフィア培養に成功し,再生能について証明された。そこで,次年度は本MSCが未刺激下でのintactな状態でどのような免疫学的性状を呈しているか解析する。また,in vitroにおいて炎症性サイトカインであるIFN-γ存在下で培養後のMSCの性状変化や,ヒト由来末梢血単核球増殖assayにMSCを共培養した際のMSCのmodulatorとしての役割について解析していく。最終的には,in vivoでMSCを3D培養した際の微小環境での免疫応答について明らかにしていく予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ等の影響により,入荷未定の備品・必要物品が複数あり,本年度の納品が出来なかったため。実験計画を再検討し,代替物品の購入を検討している。
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