2022 Fiscal Year Research-status Report
Targeting for sphingosine kinase in oral squamous cell carcinoma based on omics analysis
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21K10111
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
濱田 正和 大阪大学, 大学院歯学研究科, 助教 (80506361)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | オミクス解析 / 分子標的治療 / オートファジー / 口腔癌 |
Outline of Annual Research Achievements |
2015年にThe Cancer Genome Atlas (TCGA) から頭頸部癌における包括的ゲノム特性についての報告がされた。しかしながらセラミド代謝酵素を標的にした報告はない。研究代表者は、プロテインキナーゼC (PKC) を分子標的とするsafingolを用いて口腔扁平上皮癌(OSCC)細胞のcaspase非依存的アポトーシス誘導機構を解明した。その後、safingolはスフィンゴ脂質代謝物sphingosine-1-phosphate (S1P)を生成するsphingosine kinase 1 (SphK1) を阻害することも判明したため、SphK1選択的阻害剤PF-543の研究に着手した。S1Pはシグナル伝達物質で、細胞膜上のレセプターを介して細胞増殖ならびにプログラム細胞死を制御するシグナル伝達物質で、頭頸部癌をはじめ多くの癌で高発現している。 昨年度はセラミド代謝酵素であるSphK1、SphK2、およびCERKの発現を、頭頸部癌のTCGAデータで分析した結果、SphK1の発現が、正常組織よりも腫瘍組織で有意に高いことを確認した。さらに、TCGAのデータを「sphingosine」をキーワードに検索したところ、37の遺伝子が同定された。また、Kaplan-Meier法により検討を行ったところ、TCGAの患者では、CERS5、SGPP1の高発現、PLPP3、SPNS3の低発現が予後不良と関連していた。本年度はPF-543を各種口腔扁平上皮癌細胞株に処理し、シークエンス解析を行い、現在解析を行っている。解析途中であるが、アポトーシス、オートファジー、ネクローシスに共通した経路としてNOD-like receptor signaling pathwayとnecroptosisに注目している。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
新型コロナウイルス感染症による影響が改善され、予定していた実験が行える環境になってきたため。
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Strategy for Future Research Activity |
昨年度に行ったシークエンスの結果を解析を行っていく。オミクス解析を行うことにより、より効率的に研究を行っていき、メカニズムを解明していく。
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Causes of Carryover |
昨年度の新型コロナの影響で、繰越金が生じていたのが影響した。本年度は当初の計画に近づいてきており、このまま当初の計画に沿って研究を行っていく予定である。
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