2021 Fiscal Year Research-status Report
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21K10116
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Research Institution | Ehime University |
Principal Investigator |
栗林 恭子 愛媛大学, 医学部附属病院, 助教(病院教員) (60579952)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
中城 公一 愛媛大学, 医学系研究科, 准教授 (90314880)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔癌リンパ節転移 / 脂肪細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平上皮癌は顎口腔領域に発生する最も頻度の高い悪性腫瘍であり、手術、放射線、化学療法などによる集学的治療が行われてきた。いずれの治療法も年々進歩しているが、治療成績の飛躍的な向上には至っていない。予後に影響を及ぼす最大の要因は頸部リンパ節転移で、特に節外進展の有無が極めて重要となる。 近年、腫瘍微小環境の解明がさかんに行われており、腫瘍の増殖、浸潤、転移が免疫担当細胞、線維芽細胞、新生血管を構成する血管内皮細胞、神経細胞、破骨細胞などにより制御されていることが知られつつある。リンパ節は脂肪組織に埋没していることより、本研究では口腔扁平上皮癌頸部リンパ節転移巣微小環境における脂肪細胞の役割を明らかにすることを目的とする。すなわち、口腔扁平上皮癌のリンパ節転移節外進展を脂肪細胞が助長するのか抑制するのかを明らかにした上で、空間的遺伝子発現解析技術を用いて癌細胞と脂肪細胞の相互作用を分子レベルで完全に解明する。脂肪組織はリンパ節周囲にも多く存在していることから、口腔扁平上皮癌リンパ節転移巣は脂肪組織から分泌されている各種サイトカインやエクソソーム等の影響を少なからず受けていると考えられ、脂肪組織と癌組織の相互作用を分子レベルで解明することは、節外進展のメカニズムの解明につなげることができる。 現在、口腔扁平上皮癌症例の頸部郭清手術標本より転移リンパ節を周囲組織と伴に摘出し、組織における遺伝子発現について空間的解析を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔扁平上皮癌症例の頸部郭清手術標本より転移リンパ節を周囲組織と伴に摘出し、Tissue-Tek O.C.T.compound を用いて包埋し、凍結組織ブロックを作製。その後、ブロックから薄切切片を複数枚取り出し、HE染色にて組織構造が保たれていることを確認した。 今後、Visium Spatial Gene Expression Slideに載せ、空間的位置情報を保持した状態での遺伝子発現プロファイルを確認する。 以上より、おおむね順調に研究は進展している。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、Visium Spatial Gene Expression Slideに載せ、空間的位置情報を保持した状態での遺伝子発現プロファイルを確認する。さらに、組織の H&E 染色画像データを取得した後に細胞透過酵素で処理し、ライブラリーを調製する。続いて、次世代シーケンサーを用いてRNA Sequencing (RNA-Seq) を行い、リンパ節転移巣における癌細胞と脂肪細胞それぞれの遺伝子発現プロファイルを得る予定である。
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Causes of Carryover |
現在、visiumの実験が進行中であり解析が年度をまたぐために次年度繰越金額が発生しました。
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