2021 Fiscal Year Research-status Report
抗claudin-4抗体による口腔癌に対する化学療法の増強効果
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21K10143
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Research Institution | Nara Medical University |
Principal Investigator |
山本 一彦 奈良県立医科大学, 医学部, 研究員 (20243842)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
國安 弘基 奈良県立医科大学, 医学部, 教授 (00253055)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | claudin-4 |
Outline of Annual Research Achievements |
本年度は、抗Claudin-4細胞外ドメイン抗体(4D3)を用いてin vitroにおける口腔扁平上皮癌細胞への効果を検討した。ヒト口腔扁平上皮癌細胞株HSC3(高転移株)およびHSC4(低転移株)をまず4D3で単独処理すると、抗体濃度依存性に約20%の増殖阻害、40%の浸潤抑制、10%のアポトーシスの促進が両細胞で認められた。スフェアを用いた系でも、4D3単独処理によりスフェア数の減少と増大の抑制が見られ、幹細胞性への阻害作用が示された。癌細胞を重層したBoyden chamberを用いてTERを計測すると抗体によりTERの低下が認められ、tight junction障害効果が確認された。スフェアにおけるEGF、HIF-1α、乳酸について測定すると、4D3によりいずれも発現レベルの低下が見られた。核内YAPも4D3により低下した。これに対し、Claudin-4をsiRNAによりノックダウンすると、Claudin-4 mRNA発現は5-10%に抑制されたがClaudin-7の発現が増加した。増殖・浸潤の抑制やアポトーシス促進は認められず、スフェアや幹細胞性の抑制も認められなかった。TERの低下も認められず、Claudin-7などの他の上皮性Claudinによりtight junction機能が保持されていると考えられた。核内YAPの低下もClaudin-4ノックダウンでは認められなかった。このように、抗Claudin-4細胞外ドメイン抗体は口腔扁平上皮癌細胞に抗腫瘍効果を示した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
実験環境が整っており速やかに実験を開始することができた。
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Strategy for Future Research Activity |
研究分担者との連携を密にしてさらに研究を進めていきたい。
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Causes of Carryover |
学会発表用の旅費が少なくすんだ。
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