2022 Fiscal Year Research-status Report
口腔扁平苔癬モデル動物の確立とdopamineシグナル制御治療薬の開発
Project/Area Number |
21K10146
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Research Institution | Saitama Medical University |
Principal Investigator |
伊藤 耕 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (20419758)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
川野 雅章 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (30447528)
佐藤 毅 埼玉医科大学, 医学部, 准教授 (60406494)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔扁平苔癬 / TGF-beta / Dextran sulfate sodium / Oxazolone |
Outline of Annual Research Achievements |
口腔扁平苔癬においては、T細胞との関連を示唆する研究が報告されている。Th1サブセットが関係することを報告した論文は22報、Th2サブセットが関係することを報告した論文は16報、Th17サブセットが関係することを報告した論文は6報、Tregサブセットが関係することを報告した論文は2報である。これらの既報論文を踏まえて、われわれは各T細胞サブセットのタンパク質の発現を調べることとした。 これまでに口腔扁平苔癬を疑う患者に対して、生検を行い病理診断にて口腔扁平苔癬の確定診断がついた患者のデータを収集し、8症例を集めることができ、HE染色を行った。また、2例ではあるが、T17サブセットに関与する分子であるIL-17、Th1サブセットに関与する分子であるIFN-γ、Tregサブセットに関与する分子であるTGF-βの免疫染色を施行した。対照群として、抜歯患者の炎症性歯肉を用いた。免疫染色の結果、対照群ではIL-17およびIFN-γの染色が強いシグナルであったのに対して、口腔扁平苔癬患者群ではTGF-βのシグナルが強く出ていたことが明らかとなった。今後、症例を増やしていく予定である。 また、Wistarラットに対して三種混合麻酔下(塩酸メデトミジン(0.15 mg/kg)・ミダゾラム(2 mg/kg)・酒石酸ブトルファノール(2.5 mg/kg))にて、両側の頬部粘膜へ薬剤を50μL粘膜下に投与する実験を行った。薬剤として、Dextran sulfate sodiumおよびOxazoloneを使用し、頬粘膜を採取してHE染色を行った。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ロシア、ウクライナの戦争の影響で、試薬の納品が遅れているため。
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Strategy for Future Research Activity |
今後、Wistarラットの標本について、Tregサブセットに関与する分子の抗体にて免疫染色を行い、ヒト検体との比較を行う予定である。
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Causes of Carryover |
現在の世界情勢から物品の流通が安定ぜず、使用額に差異が生じた。来年度の物品購入および旅費に使用予定とした。
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