2023 Fiscal Year Research-status Report
Development of novel method for xerostomia by autologous serum with freeze-drying technique
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21K10147
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
中谷 佑哉 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 助教 (50770822)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
戸谷 収二 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20287791)
森田 貴雄 日本歯科大学, 新潟生命歯学部, 教授 (20326549)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 自己血清 / 凍結乾燥 / 口腔乾燥症 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、凍結乾燥血清を用いた口腔乾燥症に対する新規の治療法の開発とその有用性を明らかにすることである。口腔乾燥症は、唾液量の減少のみならず、口腔粘膜障害などの関連症状が遷延化、難治化することが少なくない。その原因の一つとして、口腔乾燥症患者の唾液中の上皮成長因子(EGF)などの成長因子の濃度が低下していることが示唆されており、唾液の「量」だけでなく、「質」にも注目が集まっている。そこで、申請者は口腔乾燥症と症状体系が類似しているドライアイに対する治療に用いられている自己血清に着目した。血清にはEGFをはじめ、血小板由来成長因子(PDGF)、トランスフォーミング成長因子β(TGF-β)、血管内皮増殖因子(VEGF)などの成長因子も含まれ、粘膜保護作用、組織修復作用を持つことから、口腔乾燥症により傷害を生じた口腔粘膜への適用が有効であると考えられる。本研究では、凍結乾燥血清と粘膜貼付錠剤を併用した徐放担体による口腔乾燥症の治療法開発とその効果について詳細に検討を行う。 令和5年度においては、徐放担体を使用してシェーグレン症候群モデルマウスの実験として、血清、凍結乾燥血清の成長因子濃度の測定、唾液量変化の検討および唾液中の成長因子濃度変化の検討を行っていく予定であったが、マウスの口腔内での担体保持の再現性を確保することが困難であり、効果の評価が困難となった。そのため、徐放担体の効果の評価法を動物実験から細胞実験に切り替え、検討を重ねていった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
当初は動物実験での徐放担体の評価を検討していたが、マウス口腔内での担体保持が想定以上に一定せず、効果の評価が困難となり、細胞を用いた評価法に移行せざるを得なくなった。このため、計画からやや遅れが生じている。 令和6年度は下記に示す推進方策を行って、更なる検討を行っていくこととする。
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Strategy for Future Research Activity |
シェーグレン症候群モデルマウスの唾液腺細胞に対して、徐放担体を用いて、唾液腺の再生等の組織変化などの評価を行っていく。
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Causes of Carryover |
実験の進捗状況の遅れにより、未使用額が生じた。 また、学会参加に伴う旅費もCOVID-19の影響により、海外学会への参加の目途が立たなかった分の未使用額が生じた。 本研究はさらなる検討が必要であるため、研究期間を延長とし、未使用額に関しては、令和6年度の実験費用に充てることとする。
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