2022 Fiscal Year Research-status Report
Study on maxillofacial pain caused by visceral disorders such as myocardial infarction or inflammatory diseases of the lung.
Project/Area Number |
21K10148
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Research Institution | The Nippon Dental University |
Principal Investigator |
井出 良治 日本歯科大学, 生命歯学部, 講師 (10638084)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
佐伯 周子 日本歯科大学, 生命歯学部, 教授 (90281435)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 三叉神経 / 関連通 / 篩状神経節 / パッチクランプ法 |
Outline of Annual Research Achievements |
肺癌や心筋梗塞などの心疾患、腹部内蔵疾患では顎顔面領域にしばしば関連痛が出現することが知られている。更に、2019年末より新型コロナウイルス(SARSCoV-2)の感染を起因とする急性呼吸器疾患(COVID-19)により顔面及び咀嚼筋領域での非歯原性の疼痛が報告されている。しかし、現在までその詳細な機序は未だ不明である。本研究は、蛍光トレーサーを用いて乳幼仔ラットのnodose ganglion(NG, 迷走神経節の1つ)から心臓由来の一次知覚neuronを検出する新規技術を基盤とし、Fluoro-Gold (FG) を内臓(肺・心臓・腸管)に、DiC18(DiI)を三叉神経領域にinjectionする。一部の内臓知覚と顎顔面口腔知覚の中枢枝はそれぞれNGとtrigeminal ganglion(TG, 三叉神経節)を介して脳幹に投射される。そこで、末梢枝から神経節を経て軸索輸送されるFGとDiIを脳幹レベルで組織学的に検出し、同細胞、組織に対して電気生理学手法(パッチクランプ法・細胞外記録法)を用いてその特性を明らかにする。本研究により、内臓痛が顎顔面領域に関連痛として現れる機序を解明し、更には肺癌、心筋梗塞、COVID-19などの内臓疾患の早期発見と重症化の回避につながることを目指す。 現在までに新生児ラットNGニューロンに対し、ホールセルパッチクランプ法を用いて、痛みの伝導に関与されていると考えられるテトロドトキシン抵抗性(TTXR)電位依存性ナトリウム電流(INaR)を測定し、一般的に鎮静薬とし用いられるナトリウムチャネルブロッカーであるデキサメデトミジン投与によるINaRの抑制(IC50=128 μM)を確認した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
研究予定初年度に講座及び共同利用研究室の大規模改装工事により半年以上の実験が行うことができず、さらには実験機材の再セットアップに時間がかかってしまった。
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Strategy for Future Research Activity |
1.電気生理学的解析(ホールセルパッチクランプ法)によって得られたデキサメデトミジン投与によるナトリウム電流の抑制効果についての結果をもとに追加のデータを取得し解析を進める。 2.新生仔ラットの腹腔内にカプサイシンを投与し炎症モデル動物の作成を行い、対象としている神経節(篩状神経節、三叉神経節、脊髄後根神経節)の免役組織化学的手法を用いて評価を行う。
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Causes of Carryover |
実験初年度に研究室の改装が行われ、その後の実験に進捗遅れが生じた為。今後、モデル動物の作成に使用する薬剤、生体モニタ、および組織摘出後の免役組織化学染色に使用する抗体を購入する予定である。
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