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2022 Fiscal Year Research-status Report

翻訳後修飾系による骨形成制御に関する基礎的研究

Research Project

Project/Area Number 21K10151
Research InstitutionOsaka Dental University

Principal Investigator

野崎 中成  大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (90281683)

Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) 中塚 隆介  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (90454561)
佐々木 由香  大阪歯科大学, 歯学部, 講師 (50823332)
Project Period (FY) 2021-04-01 – 2024-03-31
Keywords翻訳後修飾 / PARP1 / PARG / ポリADP-リボース / PARP阻害剤
Outline of Annual Research Achievements

本研究課題は、翻訳後修飾系の1つであるポリADP-リボシル化を介した骨形成における細胞情報伝達の機序を解明し、異所性骨化など骨疾患の病態を改善するための基礎的研究である。2021年度、臨床承認薬olaparibが骨芽前駆細胞MC3T3-E1の骨芽細胞分化を抑制することを明らかにした。そこで、本年度はolaparibによる骨芽細胞分化の抑制機序を解析するために、small RNA sequence解析を行い、microRNA (miRNA) の発現変動を網羅的に解析した。Pathway解析を行った結果、Wntシグナル経路を含む複数の細胞内経路に変動が認められ、骨芽細胞分化の抑制に寄与する複数のmicroRNAの候補を抽出した。今後、骨芽細胞分化の抑制に関わるmiRNAを同定することで、PARP1/PARGの微調整メカニズムにどのように寄与するのかを解明する。また、ポリADP-リボシル化サイクルが破骨細胞分化に及ぼす影響について解析するための予備実験として、分化誘導、添加する阻害薬の濃度などの実験条件を検討した。破骨前駆細胞RAW264において、分化誘導に用いるRANKLを濃度10-200 ng/mLで処理し、200 ng/mL添加時に顕著な破骨細胞への分化誘導を確認した。RAW264細胞に対して、PARG阻害薬およびolaparibの細胞毒性を調べた結果、IC50値は、それぞれ>30μMと23.7μMであった。さらに、PARG阻害薬は細胞内にポリADP-リボース(PAR)を集積し、一方で、olaparibはPAR集積量を低下させたことから、RAW264細胞において、阻害薬がそれぞれPARGおよびPARPの機能を阻害していることが示唆された。

Current Status of Research Progress
Current Status of Research Progress

2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.

Reason

本年度は以下の2点を実施した。
1.PARP阻害薬である臨床承認薬olaparibによる骨芽細胞の分化抑制機序を解析するため、small RNA sequence解析、pathway解析を行い、骨芽細胞分化を抑制する複数のmiRNA候補を見出した。
2. ポリADP-リボシル化サイクルにおける破骨細胞の分化制御機序を解析するため、分化誘導、阻害薬の濃度などの実験条件を調整した。
以上より、本研究の目的の一つである異所性骨化、骨分化におけるPARP1/PARGの微調整メカニズムを解析するため、基礎的なデータを蓄積しつつあり、当初予定していた計画と照らして研究はおおむね順調に進展している。

Strategy for Future Research Activity

本年度はolaparibによる骨芽細胞分化を抑制するmiRNA候補を複数見出したことから、次年度は、骨芽細胞分化を抑制するmiRNAを同定し、olaparibによる骨芽細胞分化の抑制機序を詳細に解析する予定である。また、ポリADP-リボシル化サイクルが破骨細胞分化に及ぼす影響について解析する予定である。具体的には、RAW264細胞を用いて、PARG阻害薬およびolaparib存在下でRANKL添加により破骨細胞への分化を誘導する。TRAP染色やリアルタイムPCRによる破骨細胞分化マーカーの変動を解析することにより、各阻害薬の破骨細胞分化への影響を解析する。PARG阻害薬およびolaparibにより、破骨細胞分化の抑制または促進が認められた場合には、網羅的な遺伝子発現解析を行い、ポリADP-リボシル化サイクルによる骨形成の制御機序を解明する予定である。本研究で得られた結果から新規の知的財産性が認められる場合には、特許権の申請を検討する。

Causes of Carryover

大学費の一部を研究費として充当したため、当基金の一部を使用せず、次年度へ繰り越した。次年度は、物品費として細胞培養関連、分子生物学実験関連の試薬の購入に使用する予定である。また、本研究で得られた成果を学会で発表するための費用や、学術誌に報告するための英文校正費として使用する予定である。

  • Research Products

    (2 results)

All 2022

All Journal Article (1 results) (of which Peer Reviewed: 1 results,  Open Access: 1 results) Presentation (1 results)

  • [Journal Article] Inhibition of Poly (ADP-Ribose) Glycohydrolase Accelerates Osteoblast Differentiation in Preosteoblastic MC3T3-E1 Cells2022

    • Author(s)
      Sasaki Yuka、Nakatsuka Ryusuke、Inouchi Takuma、Masutani Mitsuko、Nozaki Tadashige
    • Journal Title

      International Journal of Molecular Sciences

      Volume: 23 Pages: 5041

    • DOI

      10.3390/ijms23095041

    • Peer Reviewed / Open Access
  • [Presentation] MC3T3-E1細胞におけるPARG阻害剤PDD00017273およ びPARP阻害剤olaparibが骨芽細胞分化へ及ぼす影響2022

    • Author(s)
      佐々木由香、中塚隆介、井内拓磨、益谷美都子、野﨑中成
    • Organizer
      第39回分子病理学研究会

URL: 

Published: 2023-12-25  

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