2021 Fiscal Year Research-status Report
CTGFとOdz3が促す走化性による歯胚間葉細胞凝集の制御-歯胚再生への応用-
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21K10156
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Research Institution | Kyushu University |
Principal Investigator |
竹下 信郎 九州大学, 大学病院, 助教 (50431515)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | chemotaxis / 歯胚 / CTGF |
Outline of Annual Research Achievements |
歯は、上皮と間葉の相互作用により発生する。歯の発生初期に、口腔上皮が肥厚し間葉への陥入が始まる。歯の発生の蕾状期には、間葉へ陥入した上皮周囲に歯原性間葉細胞が凝集し、初期歯胚が形成される。CCNファミリーに属するconnective tissue growth factor (CTGF)は、細胞外基質に局在するマトリセルラータンパク質として、様々な細胞の働きを制御する。細胞の遊走は、random migrationとdirected migrationに分類される。Directed migrationの一つであるchemotaxis(走化性)は、細胞が周囲環境に存在する化学物質の濃度勾配に向かい、方向性を持って遊走する現象で、組織発生部へ前駆細胞を誘導する重要な細胞プロセスである。我々は、前駆骨芽細胞様細胞株MC3T3-E1が、膜タンパク質integrin α5を介して、CTGFの濃度勾配に向かってchemotaxisを示すことを明らかにした。しかし、CTGF依存的chemotaxisの歯胚間葉細胞凝集への関与は不明である。 本研究の目的は、CTGFによる歯原性間葉細胞のchemotaxisを介した歯胚間葉細胞凝集の制御機序を解明することである。令和3年度には、胎生マウスの歯胚発生過程におけるCTGFの発現を、免疫染色により解析した。その結果、歯胚の発生段階に応じた、上皮と間葉組織におけるCTGFの発現パターンが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
歯胚におけるCTGFの発現が明らかとなり、歯胚発生においてCTGFが重要な役割を担うことが示唆され、今後の歯胚寛容細胞凝集解析につながる知見が得られた。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、歯胚から間葉細胞を単離・培養し、CTGFがこれらの細胞のchemotaxisを促すか否か、解析を行う。
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Causes of Carryover |
当初予定より、試薬購入費を抑えることができた。次年度の、in vitroにおけるchemotaxis解析用の試薬購入に使用する予定である。
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