2021 Fiscal Year Research-status Report
特発性下顎頭吸収における骨・軟骨破壊機構とMCP-1の関連性の解明
Project/Area Number |
21K10163
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
岩浅 亮彦 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (90746025)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 特発性下顎頭吸収 / アロマターゼ / エストロゲン / MCP-1 |
Outline of Annual Research Achievements |
特発性下顎頭吸収(Idiopathic Condylar Resorption: ICR) は、進行性下顎頭吸収(Progressive Condylar Resorption: PCR)とも言われ、国が指定する難病のひとつであり、患者のクオリティーオブライフ(QOL)を著しく低下させる。その病態については不明な点が多いが、男女比が1:10と女性に多いことからも女性ホルモンの影響が疑われる。 そこで、エストロゲン低産生状態を呈するアロマターゼ遺伝子欠損(ArKO)マウスに対して、顎関節に早期にメカニカルストレスを加えることで、下顎頭の吸収を誘導し、新しいICRモデルマウスを開発し、ArKOマウスで報告している肥満状態によるmonocyte chemoattractant protein-1(MCP-1)の産生亢進が、顎関節部の骨・軟骨破壊を引き起こし、ICRを発症・増悪させるメカニズムを明らかにすることを目的として研究を行っている。 令和3年度の研究実績としては、マウスを用いた基礎研究と並行して、矯正歯科臨床における実際の特発性下顎頭吸収を有する患者のCT画像を用いて、下顎頭の形態計測を行い、特発性下顎頭吸収の病態について論文にまとめ、報告した。(A Iwasa, E Tanaka: Signs, Symptoms, and Morphological Features of Idiopathic Condylar Resorption in Orthodontic Patients: A Survey-Based Study. J Clin Med. 2022 Mar 11;11(6):1552. doi: 10.3390/jcm11061552.)
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
若齢期のArKOマウスを一定期間過開口させることで、顎関節に過剰なメカニカルストレスを与え、ICRモデルマウスの作製を行い、このモデルマウスの下顎頭を摘出し、マイクロCT撮影にて、下顎頭における骨棘形成や表面性状の粗造化を観察するとともに、骨形態計測として骨密度(BV/TV)、骨梁幅(Tb.Th)、骨梁数(Tb.N)等の解析を行う予定であったが、マウスに開口器を装着して過開口を開始する時期や、毎日の過開口させる時間、さらに過開口する期間等の条件設定の検討に時間がかかっている。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、早急にICRモデルマウス作製プロトコールを決定し、これまでの遅れを回復したいと考えている。 また、ArKOマウスの個体数確保に時間がかかりそうな場合には、野生型(WT)マウスにアロマターゼインヒビターを投与することで、アロマターゼ低産生状態を引き起こして、ArKOマウスと類似した状況下での解析を進めていきたいと考えている。
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Causes of Carryover |
新型コロナウイルスの影響で大学院生の研究活動の自粛もあり、マウスを用いた実験時間が制限され、予定していたよりモデルマウス作製プロトコールの選定が遅れているため、購入予定であった試薬や実験器具等の購入を遅らせたことから、次年度使用額が生じた。遅れていた分は本年度中に発注し、実験の遅れを取り返し、使用する予定である。
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Research Products
(5 results)