2022 Fiscal Year Research-status Report
象牙芽細胞突起の機能を有するヒト象牙質オルガノイド作成の試み
Project/Area Number |
21K10176
|
Research Institution | Fukuoka Dental College |
Principal Investigator |
岡 暁子 福岡歯科大学, 口腔歯学部, 教授 (60452778)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | オルガノイド / 象牙質 / 象牙芽細胞 / 3Dプリンター / 細胞外マトリックス |
Outline of Annual Research Achievements |
象牙細管を有する生体象牙質に近い組織構造をもつ象牙質再生を目指して、間葉系および上皮系の2種の細胞を用いてスフェロイド形成を行い、バイオプリンターを用いて3次元構築を行った。使用する細胞は、前年度に引き続き、マウス頭蓋神経堤由来細胞株O9-1、マウスエナメル上皮細胞株mHAT9d細胞を用いた。バイオプリンターに適合するスフェロイド体形成の条件設定は終了していたため、バイオプリンターを用いて、それぞれのスフェロイド体による3次元構築を行った。 これまでの試みから、3次元構造体を作成した場合、内層の細胞への培地の浸潤、酸素供給の低下から、構造体を維持できないことが明らかになってきており、プリントの設計、構築後の培養方法について、様々な方法を検討した。結果として、円柱状にスフェロイドを構築し、個々のスフェロイド体が連続した後に、3次元構造体内腔にカテーテルを挿入し、培地供給を行うことで、2-3週間培養が可能となるところまで、条件設定を行うことができた。 まずは、それぞれの細胞のみで3次元構築を行った。カテーテル培養を7日間行い、構造体を組織学的に評価した。外層は細胞密度が高く内層にむかって細胞外成分の増加が観察された。Ki-67陽性細胞は O9-1、mHAT9dともに最外層に多く観察され、またその構造は線維性膜状として観察された。構造体全体を観察すると、細胞密度が疎である領域と密である領域が観察され、これはSpheroid体の配列に依存しているように考えられた。 次に象牙質形成にむけて、石灰化誘導の方法を決定に着手した。まずはスフェロイド体の状態での石灰化条件を決定するため、培地にカルシウムおよびリンを添加することとし、現在、それぞれの最適添加濃度の決定を検討している。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
3次元構築後の培養条件の設定に、予定より時間がかかったこと。
|
Strategy for Future Research Activity |
最終的に上皮系細胞と間葉系細胞の2種の細胞を用いたスフェロイド体での石灰化誘導条件を決定する。最終的には、この2種の細胞を用いた3次元構造体の石灰化誘導を試みる。
|
Causes of Carryover |
細胞株の増殖活性が高いため、再購入の必要がなかった。
|
Research Products
(3 results)