2021 Fiscal Year Research-status Report
Investigation of a new therapy for auto-transplantation of developing teeth with NF-kB decoy ODN
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21K10179
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Research Institution | Tokyo Medical and Dental University |
Principal Investigator |
石田 雄之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (00516297)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
細道 純 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (00420258)
川島 伸之 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 講師 (60272605)
水谷 幸嗣 東京医科歯科大学, 大学院医歯学総合研究科, 助教 (60451910)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 幼若永久歯 / 再植 / 歯根形成能 / 核酸医薬 / NFkBデコイ |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は、脱臼した幼若永久歯における歯根形成能の維持及びアンキローシスの抑制する再植治療法の確立は未だ達成されておらず、そのメカニズムについて探求すべく、当研究グループでこれまで取り組んできた過度な炎症を抑制し、歯周組織の創傷治癒促進に作用することが報告されているNFκBデコイ核酸を用いて『幼若永久歯再植時の歯髄生活反応及び歯根形成能の維持の可能性について探索するため、歯根形成能のある歯の再植モデルを用いて、過度な炎症反応を抑制するNFκBデコイ核酸の導入が再植後の歯髄・歯周組織の治癒に与える影響を調査する』ものである。 本研究の目的は、ラット前歯の再植モデルを用いて、再植時NFκBデコイ核酸を歯根表面に適応することで、再植後の歯髄・歯周組織の治癒過程への影響を詳細に調査し、幼若永久歯再植時の歯髄生活反応および歯根形成能の維持が可能な治療法の探索を行うことである。 令和3年度は、①ラット前歯の再植モデルの確立、②再植時のPLGAナノ粒子を用いた核酸医薬キャリアの開発、③歯の移植モデルにおけるNFkBデコイ含有PLGAナノ粒子導入効果の調査を行った。その結果、ラット前歯の再植モデルを確立し、その再植モデルを用いた実験によって、NFkBデコイ含有PLGAナノ粒子導入により、再植したのちに中断されてしまう幼若永久歯の歯根形成能が回復すること、歯髄腔内の細胞性石灰化物増殖を抑制すること、歯髄腔内の狭窄化を抑制することが明らかとなった一方で、歯髄腔内の炎症性サイトカインの発現は抑制できないことが分かった。これらの結果から、再植時の局所の抗炎症処置が再植後のリスクを大きく改善する治療法となる可能性が期待される。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
1: Research has progressed more than it was originally planned.
Reason
再植モデルについては、予備実験にて準備をしていたこともあり、モデルの確立が早期に達成できたことから、予定よりも順調に研究が進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度以降は、予定されている歯の再植後の治癒家庭における歯髄・歯周組織の遺伝子発現解析を行う予定である。また、移植後の歯髄組織における歯髄生活反応及び歯根形成能の動態について検討することを予定している。また、2021年度の研究結果より、現投与法による歯髄内細胞の抗炎症性作用が限定的であることが判明したため、キャリアを新たに開発する研究を追加する予定である。
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Causes of Carryover |
実験モデル作成がスムーズに行えたために、動物購入が予想よりも少なかったことが要因であると考えている。しかし、実験に伴いあらたなキャリア開発を行い検討するための費用として使用する予定である。
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