2021 Fiscal Year Research-status Report
Study for investigating mechanisms of mesiodens formation
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21K10182
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Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
川崎 勝盛 新潟大学, 医歯学系, 助教 (40529640)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
前田 健康 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40183941)
大峡 淳 新潟大学, 医歯学系, 教授 (40266169)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 上顎正中過剰歯 / 一次線毛 |
Outline of Annual Research Achievements |
過剰歯の出現機構は古くから研究対象とされ、その原因にさまざまな仮説が提唱されてきたが、確定的な証拠は提示されていない。我々は一次繊毛の構成タンパクの一つであるOfd1の顎顔面形成過程における役割を解明するために遺伝子改変マウスを作成し、解析中、上顎正中部に過剰歯胚が形成されていることに気づいた。これまで正中過剰歯のモデル動物は報告されておらず、これを解析することで正中過剰歯出現機構が解明されるのではないかと考えた。 本Odf1遺伝子改変マウスの過剰歯胚の経日的組織学解析の結果から、歯胚蕾状期では野生型と比較して、差は認められなかったものの、帽状期以降、通常歯胚とは別に過剰歯歯胚が生じているのを確認した。過剰歯は鐘状期にかけて正常歯胚とおもに成長を示すが、その成長方向は正常歯胚とは異なっていた。 また、神経堤由来細胞にGFPを発現させたOdf1遺伝子改変マウスの解析から、過剰歯歯胚が生じる際、神経堤由来細胞の局在が、野生型マウスとは異なることを見出した。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
過剰歯胚形成が、生来の上顎切歯とは独立して生じていたこと、その成長方向が通常の上顎切歯とは異なっていたこと、さらに、神経堤由来細胞に局在が野生型マウスとは異なっていたことを確認できたことは非常に大きい。 今後は他のシグナルの変化や、認められた表現型と神経堤由来細胞の局在の変化との関連性の検索にうつることができる。
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Strategy for Future Research Activity |
次年度は、Odf1遺伝子改変マウスにおける分子変動をマイクロアレイやRNA-seq、qPCRによって検索を行う。得られた結果から、in situ hybridization、 免疫染色、western blot法などで発現部位の変化やタンパク発現量の変化を検索する。特に、Shh、 Wnt、 Fgfなどのシグナル経路の活性の検索には注意を払う。
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Causes of Carryover |
必要なマウス数の獲得に時間を要した関係で、使用できなかった消耗品が生じた。また、コロナの関係で納品が遅れ、使用できなかった消耗品が生じた。次年度は、前述した推進方策にしたがい、必要な実験動物、試薬等の消耗品類を購入する。また、国内外の学会における成果発表の旅費に充てる。
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