2021 Fiscal Year Research-status Report
The molecular mechanism of umami receptor in energy metabolism for preventing pediatric obesity
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21K10192
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Research Institution | Iwate Medical University |
Principal Investigator |
森川 和政 岩手医科大学, 歯学部, 教授 (70514686)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
橋口 大輔 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (00625965)
古株 彰一郎 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (30448899)
細見 周平 大阪市立大学, 大学院医学研究科, 講師 (60554938)
齊藤 桂子 岩手医科大学, 歯学部, 助教 (70788744)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 小児肥満 / 味覚受容体 / Tas1r3 / 脂肪細胞分化 / 間葉系幹細胞 |
Outline of Annual Research Achievements |
成人の肥満者では高血圧症,糖尿病,脂質異常症に罹患する確率が高くなる.肥満は食事や運動などの生活習慣に影響を受けて発症する生活習慣病の一つとされる.一方で,一卵性双生児や血縁関係はないが生活習慣を共にする家族の解析から,肥満の成因には遺伝的要素が大きいことがわかってきた.さらに肥満形成に子宮内や生後早期のさまざまな環境因子によるエピジェネテックな変化,すなわちDNA配列の変化を伴わない遺伝的な変化も関わる.つまり,成人期の肥満は小児期にはすでに形成されている可能性が高く,実際の調査においても,学童期肥満では4割,思春期肥満の7割は成人肥満に移行すると言われる. 食習慣の異常は強力な肥満症の原因であるとされ,そのため食物の選択に大きな影響を与える味覚と肥満との関連がこれまで調査され,肥満者では正常体重者と比べて甘味感受性(やうま味感受性が低下しているとの報告がある.これらはいずれも味覚感受性が低下することで,甘味やうま味感覚が満たされず,その結果過食となり肥満に繋がると解釈される.しかし,味覚受容体のTas1Rファミリーは口腔内以外にも広く発現しているため,甘味ないしうま味感覚の低下を肥満の原因と考える際には,口腔外の各組織における味覚受容体の機能低下を引き起こす遺伝子変異などにも考慮する必要がある. Tas1Rファミリーは脂肪組織にも発現したことから,脂肪分化におけるTas1Rファミリー・特にTas1r3に着目して解析を行なった.そこで脂肪分化能を有するC3H10T1/2細胞,ST2細胞,3T3-L1細胞にTas1r3を過剰発現したところ,脂肪分化が促進した.すなわち,脂肪組織に発現するTas1r3は脂肪細胞分化を制御している可能性がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
脂肪細胞局所に発現する味覚受容体が脂肪細胞分化に関与することを証明するデータがとれ始めたから.
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Strategy for Future Research Activity |
Tas1r3ノックアウトマウスの脂肪組織を解析する.
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Causes of Carryover |
COVID-19の影響で実際に現地に行って参加する学会がなく,当初の予定よりも旅費がかからなかったから.
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Research Products
(8 results)