Down症候群の顎顔面形態に関連する遺伝的要因の解明と3次元形態解析

2021 Fiscal Year Research-status Report

• Project/Area Number: 21K10195
• Research Institution: Showa University
• Principal Investigator: 高橋 正皓 昭和大学, 歯学部, 講師 (10736713)
• Project Period (FY): 2021-04-01 – 2024-03-31
• Keywords: Down症候群 / CBCT

Outline of Annual Research Achievements

Down症候群患者は、セファロ分析を用いた顎顔面領域の形態計測結果から、特徴的な形態を有することが報告されている。しかし、３次元的な形態計測を用いて、Down症候群患者の顎顔面形態を詳細に分析した報告はない。本研究は、cone beam computed tomography(CBCT)画像を用いて、Down症候群患者の顎顔面形態について３次元的に評価を行うことを目的とした。
昭和大学歯科病院矯正歯科を受診したDown症候群患者のうちCBCTの撮影を行った患者12名（平均年齢：9.72歳、男：女＝7：5）を対象とし、対照群は先天性疾患や全身疾患等を伴わない12名（平均年齢：9.71歳、男：女＝7：5）とした。CBCT画像と計測ソフトを用いて上顎骨、下顎骨体積の計測と顎顔面形態について線計測および角度計測を行い、統計学的に比較検討を行った。
上顎骨および下顎骨体積の平均値は、対照群と比べ、Down症候群患者において、小さい値を示した。顎顔面領域における線計測および角度分析計測では、Down症候群患者においてS-N、S-Baが小さい値を示し、頭蓋底角が大きい値を示した。また頭蓋底幅径として、正円孔間、卵円孔間および棘孔間距離においてもDown症候群患者の方が小さい値を示した。これらの結果は、統計学的に有意差を認めた。CBCT画像を使用した3次元的な計測においても、Down症候群の顎顔面形態は、特徴的な形態を有することが示唆された。

Current Status of Research Progress

3: Progress in research has been slightly delayed.

Reason

遺伝子解析を計画しているが、DNAを抽出するための対象者からの唾液の収集が遅れているため。

Strategy for Future Research Activity

Down症候群における顎顔面領域の特徴を3次元的に、さらに詳細に解析するため、咽頭気道体積や面積を計測し、対照群と比較することとする。
遺伝子解析に関しても、対象者から唾液の収集を行い、進めていく。

Causes of Carryover

遺伝子解析が計画通り進まなかったため。
主に遺伝子解析試薬類の購入に使用する予定である。