2021 Fiscal Year Research-status Report
Building dental capability strategies for persons with disabilities and families: Multicenter oral and well-being surveys
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21K10206
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
村上 旬平 大阪大学, 歯学部附属病院, 講師 (70362689)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
尾田 友紀 広島大学, 病院(歯), 病院助教 (40641949)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 障害者歯科 / ウェルビーイング / デンマーク |
Outline of Annual Research Achievements |
歯科受診および口腔内健康とウェルビーイングとの関係を質問紙の作製を行った.また国内およびデンマークにおけるウェルビーイング(人間がたんに身体的に,また精神的に良好な状態のみならず,社会的に良好で満足できる状態にあること),障害者歯科医療およびその哲学的・歴史的背景についての文献検索および情報収集を実施した. 国内の障害者歯科医療の歴史については,篤志家から始まり,1970年代からデンマークモデルを参考にしたセンター化により全国に拡大した.1980年の国際障害者年が大きな契機となり,国民および歯科医療者に障害者への理解がひろまる中で,同時に広がっていったことが明らかとなった.しかし,地域偏在や自治体間格差などの課題があることも示された. デンマークがウェルビーイングの状態にある社会として有利な位置を占めることに成功した国の1つであり,北欧モデル,民主主義,自由,多様性,ノーマライゼーション,共生と連帯などがその用意であることが明らかとなった.またデンマークでは,国策として各地域の小学校に歯科診療所をそなえ,センターおよび小児の歯科疾患予防の役割をはたしてきたことが示され,障害のある人への歯科医療については,これらのセンターのほか,国がすべての自治体において実施することを保障するなど,日本との違いも明らかとなった.一方で,センター形式で実施している自治体だけでなく,一般診療所や障害者歯科を専門とする民間事業者へ委嘱している自治体があるなど,財政的な問題から官から民への移行が一部でみられた. これらは,日本において障害者歯科医療を平等に広めること,ならびに歯科医療を通じてウェルビーイングを達成するための要因を探り,方策をたてるうえで意義がある.
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
コロナパンデミック下において,施設等でのフィールドワークが困難であったため,口腔内調査の実施がすすんでいない.
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Strategy for Future Research Activity |
コロナ感染状況をみながら,診療所や施設等における調査を開始する.診療機関においては,コロナ前と同水準まで診療状況が回復していることから,感染対策を十分に行いながら研究を遂行する. 海外調査については,コロナ感染状況およびそれによる制約,国際情勢およびそれに伴う制約を考慮し,2022年度内に実施時期を探る.
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Causes of Carryover |
コロナ感染症によりフィールドワーク,現地訪問による打ち合わせができなかったため,交通費,人件費等を中心に費用支出がなかった.次年度は,コロナ感染症の状況を勘案しながらフィールドワークが開始できる見込みであり,当該予算について順次支出が行われる予定である.
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Research Products
(6 results)