2021 Fiscal Year Research-status Report
高齢者の肺炎および口臭予防を目的とした新規口腔環境改善手法の確立
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21K10228
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Research Institution | The University of Tokushima |
Principal Investigator |
福井 誠 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 講師 (50325289)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
坂本 治美 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 助教 (10805253)
日野出 大輔 徳島大学, 大学院医歯薬学研究部(歯学域), 教授 (70189801)
吉岡 昌美 徳島文理大学, 保健福祉学部, 教授 (90243708)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | 舌苔 / タンパク質分解酵素 / 細菌叢 |
Outline of Annual Research Achievements |
2021年度には全身疾患を有しない健常者を対象とした介入研究を行った。徳島大学の32人の健康な学生(男性5人、女性27人)を対象に、タンパク質分解酵素含有食品による舌苔構成細菌叢の変化の測定を、舌ブラシによる舌清掃のみの介入Iと、タンパク質分解酵素含有食品摂取による介入IIの、ダブルブラインド・クロスオーバーデザインで行った。各被験者から摂取した舌苔中の微生物のDNAを抽出し、16s rRNAについて次世代シーケンシングによる細菌叢を分析した。その結果、タンパク質分解酵素含有食品の接種による介入IIでは、舌苔細菌叢の組成に有意な変化をもたらし、舌ブラシによる舌清掃のみの介入Iと比較した場合、Prevotella属とPorphyromonas属の相対的な存在量が大幅に減少し、Firmicutes/Bacteroidetes比が増加することが明らかになった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
2021年度は健常者を対象とした介入研究を行う予定であった。タンパク質分解酵素含有食品の接種により、舌苔細菌叢の組成に有意な変化をもたらし、舌ブラシによる舌清掃のみの介入Iと比較した場合、Prevotella属とPorphyromonas属の相対的な存在量が大幅に減少し、Firmicutes/Bacteroidetes比が増加することが明らかとなり、舌苔構成細菌叢に良好な影響を与え、口腔状態の改善に寄与する可能性があることが示唆された。予定していた2021年度の研究について、現在論文投稿中であり、おおむね順調に進展していると思われる。
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Strategy for Future Research Activity |
2022年度では健常者を対象とした漢方薬摂取の実施を予定している。本来であれば2021年度に漢方薬摂取に関する研究の整備を行う予定であったが、研究代表者が資格取得のために時間を割いたという事情もあり、検討や倫理申請がまだ行えていないため、2022年度の研究予定を早急に実施できる体制を整える必要がある。早急に倫理申請と漢方薬摂取に関する研究の整備を行い、健常者を対象とした漢方薬摂取による唾液分泌量並びに分泌型IgA濃度変化を測定する。併せて初年度と同様に、漢方薬摂取による健常者の舌苔細菌数の変化の測定と外部委託による次世代シークエンサーにより測定・分析し、2023年目以降の介入計画を立案する。
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Causes of Carryover |
(理由)本年度は新型コロナ感染症の流行により各種学会がweb開催となるなど、予定していた旅費の使用が実行されなかった。また、その他として計上していた研究発表に係る費用であるが、現在論文投稿中であり、2021年度内での執行が行われず、2022年度に持ち越すこととなった。また、予定していた研究内容のうち、漢方薬に関する研究が研究代表者の都合により2022年度での実施となったため、薬品等の購入に係る費用が持ち越しとなったため。 (使用計画)次年度は、各種学会への現地参加が可能と思われる社会情勢となっていることが予想されるため、旅費の使用が多く必要になると予想される。また、現在投稿中の論文が査読中ではあるが、アクセプトされた際の投稿費用が必要となる。併せて、今年度購入していなかった漢方薬に関する試薬の購入を予定しており、これらは次年度研究費と併せて使用する計画である。
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