2021 Fiscal Year Research-status Report
口腔機能低下とフレイルを予防するためのコホート研究と情報共有ツールの開発
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21K10231
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
濱野 徹 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (60172988)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
西 恭宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 准教授 (10189251)
村上 格 鹿児島大学, 医歯学域鹿児島大学病院, 講師 (80264448)
鎌下 祐次 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90224641)
西村 正宏 鹿児島大学, 医歯学域歯学系, 教授 (00294570)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔機能低下症 / フレイル / サルコペニア |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究は,口腔機能低下症の管理とフレイル等の全身状態把握を結びつけた臨床評価を行ないながら,口腔機能とフレイルの因果関係を示す指標を抽出できうるのか,また,これらの抽出した口腔機能低下指標がフレイルを予防し管理する上で多職種間の共有情報ツールとして作成できるかを検討している。その後さらに,フレイル予防を推進するために口腔機能とフレイル関連情報を呈示する情報共有ツールを歯科から地域へ発信できることを目標にしている。 研究開始から,これまでに自院と研究協力施設の3歯科医院と大学病院補綴科において,患者に研究協力を得て口腔機能とサルコペニア,フレイルの評価を100名以上行ってきており,データは順調に集積されてきている。今後もデータ集積を行うが,これまでのデータでは口腔機能低下症は70%に認められ,サルコペニアは15%,サルコペニアは6%に認められた。サルコペニアの有無ならびにフレイルの有無に対して,舌圧ならびに聖隷式嚥下質問のみが有意な相関を示す結果となり,サルコペニア群は非サルコペニア群より,フレイル群は非フレイル群より舌圧が有意に低値を示すことが示された。またロジスティック回帰分析から舌圧はこれらの全身状態に有意に影響を与える因子であった。 情報共有ツールの開発にあたっては,クラウドを利用するのが情報共有としてはもっとも効果的で便利であると考えられるが,個人情報の扱いについての検討もしていく必要があると考えている。データ入力フォームから表計算シートとグラフ作成についての見通しはつきつつある。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
口腔機能検査の実施が大学病院でそれ程多くないが,歯科医院においては順調にデータ収集がなされている。
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Strategy for Future Research Activity |
データを集積してフレイルと関係の深い口腔機能項目を選び出す予定であるが,縦断的な変化からどの項が最も適するかを選択していくため研究期間いっぱいのデータ集積が必要と考えている。
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Causes of Carryover |
研究情報収集のための学会がWeb開催となり,予定していた出張旅費が残ってしまい次年度使用額が11万円程生じた。これらは,口腔機能計測のための消耗品と情報共有ツース作成のための費用に今後使用していく予定である。
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Research Products
(2 results)