2021 Fiscal Year Research-status Report
歯周病予防のための坑TNF-α薬としての可溶性TNFレセプターの有用性の検討
Project/Area Number |
21K10232
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Research Institution | Kyushu Dental College |
Principal Investigator |
粟野 秀慈 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (20301442)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
有吉 渉 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (40405551)
守下 昌輝 九州歯科大学, 歯学部, 准教授 (60710522)
角田 聡子 九州歯科大学, 歯学部, 助教 (70364156)
安細 敏弘 九州歯科大学, 歯学部, 教授 (80244789)
村岡 宏祐 九州歯科大学, 歯学部, 講師 (80382422)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 可溶性TNF-α受容体 / 歯周疾患 / TNF-α |
Outline of Annual Research Achievements |
炎症性疾患の発症において重要な役割を担っている炎症性サイトカインTNF (tumor necrosis factor: 腫瘍壊死因子)-αの細胞膜貫通型受容体であるTNFレセプターⅠ型とⅡ型(TNF-R1とTNF-R2)は、生理活性を有する可溶型TNF-αの産生に関与している前駆蛋白分解酵素ADAM(a disintegrin and metalloproteinase)17 、別名TNF-α転換酵素(TACE: TNF-α converting enzyme)によって膜から切断され可溶化されることが明らかとなっている。本申請課題では口腔内における可溶性TNFレセプター(sTNF-R)の動態ならびに口腔におけるその機能を明らかにした上で、歯周病をはじめとした口腔における炎症性疾患の予防ならびに治療のための抗TNF-α製剤としてのsTNF-Rの有用性について検討することを目的としている。 令和3年度においては,ヒトの口腔内におけるsTNF-Rの動態について、唾液中と歯肉溝液中のsTNF-R1とsTNF-R2そしてTNF-αの蛋白レベルを調べ、年齢、性別、歯周病をはじめとした口腔疾患および全身疾患、そして生活習慣といった因子との関連の検証を行った。その結果唾液中のTNF-α, sTNF-R1, sTNF-R2の蛋白質レベルは互いに有意な関連性があること, また, 唾液中のsTNF-R2のレベルが歯周組織の炎症拡大に関連することが明らかとなった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
COVID-19禍で,患者を対象とした研究で制限がされる中で,概ね令和3年度の計画の7割程度は実施できたと考えてる。
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Strategy for Future Research Activity |
今後も研究計画に従い研究を進めていく予定で,患者研究における追跡調査等の実施を行なっていく予定である。
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Causes of Carryover |
COVID-19禍の影響で学会出張等がなかったことと,患者研究において,患者の予定人数が当初の計画より少なく,結果的に実験等で予定していた物品費の使用が減少したため。
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