2022 Fiscal Year Research-status Report
真菌とウイルスによるサイトカインストームにおける非古典的インフラマソームの役割
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21K10233
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
玉井 利代子 奥羽大学, 歯学部, 教授 (90367566)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | Caspase-11 / ウイルス / 真菌 / 非古典的インフラマソーム / 口腔カンジダ症 / Candida albicans / サイトカインストーム / ASC |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、①ウイルス感染症と口腔カンジダ症などの内因感染症における caspase-11 の役割を明らかにして、② Caspase-11 の発現を増強または抑制する薬剤の、易感染性宿主における有用性を検討し、高齢者社会における感染症に対する新たな予防法に応用することである。 本年度は、以下の結果を得られた。1.Caspase-11 の発現を増強する薬剤である骨吸収抑制薬ビスフォスフォネート(アレンドロネート)は、ASC 欠損マウスマクロファージ様細胞 RAW264 の IL-1β 放出をわずかに誘導した。さらに、アレンドロネートは、RAW264 細胞の、Toll様受容体 (TLR) 4 リガンドによる IL-1β 放出を著しく増加した。しかしながら、 TLR4 リガンドによる IL-1α、IL-6、および TNF-α の産生における、アレンドロネートによる増加はみられなかった。TLR4 は、SARS-CoV-2 のSタンパクや真菌細胞壁に存在するマンナンを認識する。2.一方、RAW-ASC 細胞(ASC 発現 RAW264.7 細胞)では、TLR4 リガンドによる IL-1α、IL-1β、IL-6、および TNF-α の産生におけるアレンドロネートによる増加がみられた。また、アレンドロネートによって同細胞の pro-caspase-11 の発現は増強したが、活性型 caspase-11 の発現は減弱した。3.さらに caspase-11 欠損 RAW-ASC 細胞においても、TLR4 リガンドによる上記炎症性サイトカイン産生のアレンドロネートによる増加がみられた。4.アレンドロネートによる TLR4 または TLR2 発現の増強はみられなかった。以上の結果は、caspase-11 の不活性化が IL-1α、IL-6、および TNF-α 産生を増加する可能性を示唆する。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究実績の概要にあるように、TLR4 と caspase-11 についての論文を投稿中である。現在、TLR2 シグナル伝達と caspase-11 について検討している。
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Strategy for Future Research Activity |
各種病原体関連分子パターン認識受容体 (PRRs) のシグナル伝達における caspase-11 の役割を探るために、(1)培養細胞またはマウスに擬似新型コロナウイルスを感染させた後、各種 PRRs のリガンドを添加して、下記1)-3)について検討する。1)細胞表面または細胞内タンパク分子の発現変化:病原体関連分子パターン認識受容体や関連分子の発現をフローサイトメトリーまたはウエスタンブロットで検討する。2)活性酸素種(ROS)の検出:ウイルスが誘導する ROS 産生をジヒドロローダミン123とフローサイトメーターで検出する。3)転写因子:活性化して核内に移行した NF-κB, AP-1 等の活性化を ELISA またはウエスタンブロットで検討する。(2)擬似新型コロナウイルスで前処理した caspase-11 欠損細胞または免疫不全マウスに Candida albicans, C. tropicalis, または C. glabrata を感染またはその加熱死菌を投与後、上記1)-3)について野生株細胞と比較する。
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Causes of Carryover |
消耗品を使用するので、使用期限を考慮し慎重に購入する必要があるため。
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Research Products
(6 results)