2021 Fiscal Year Research-status Report
動脈硬化性疾患患者の口腔-腸内細菌叢の微生物相解析
Project/Area Number |
21K10247
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Research Institution | Fukuoka University |
Principal Investigator |
石田 晋太郎 福岡大学, 医学部, 助手 (20899695)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 誠二 福岡大学, 医学部, 教授 (10432634)
喜多 涼介 福岡大学, 医学部, 講師 (10578777)
有馬 久富 福岡大学, 医学部, 教授 (20437784)
吉野 綾 福岡大学, 医学部, 講師 (20570914)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 口腔内細菌叢 / 腸内細菌叢 / 動脈硬化性疾患 |
Outline of Annual Research Achievements |
福岡市城南区の特定健診会場にて当研究に参加いただける方をリクルートし、唾液・糞便検体を採取させていただき、さらに同意をいただいた方に心電図と同期させた胸部CT撮影を行った。唾液は380検体、糞便は364検体を外注にて次世代シークエンサーを用いた16s rRNA遺伝子解析を行った。胸部CT画像は動脈硬化スコアであるAgatston Scoreを用いてスコア化し、Agatston Score10以上を動脈硬化性疾患群とした。唾液・糞便検体をコントロール群と動脈硬化性疾患群の2群に分けた。その2群に対して、α多様性解析(検体内の多様性)、β多様性解析(検体間の多様性)、LEfSe解析(群間比較解析)を行った。 検体を健常群と動脈硬化群に分けて、口腔内・腸内細菌叢の解析を行った。α多様性とβ多様性(検体間の多様性)解析にて健常群と動脈硬化群の口腔内細菌叢に有意差はなかったものの、腸内細菌叢では有意差があることが分かった。群間比較解析にて口腔内細菌叢はBacilli、Micrococcaceae、Micrococcalesなどが、腸内細菌叢ではMuribaculaceae、Aeromonadales、Doreaなどが動脈硬化に有意に関連していることが分かった。また、口腔内細菌であるAggregatibacter属が動脈硬化性疾患の進行に有意に関連していることが分かった。糞便検体からはStreptococcus属mutans種が動脈硬化性疾患の進行に有意に関連していることが分かった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
本研究参加者を継続してリクルートし、唾液と糞便を採取した。さらに同意が得られた参加者には胸部CT撮影を施行し、冠動脈および大動脈の石灰化評価を継続して行った。今年度はCOVID-19蔓延の影響にて参加者数が予想より下回ったものの、現時点で380人分の検体・データが集まった。 次世代シークエンサーを駆使し唾液・糞便検体の16s rRNA遺伝子解析を行った。冠動脈および大動脈の石灰化進展度で検体を2群に分け、遺伝子解析結果を用いて多様性解析ならびに群間比較解析を行い、動脈硬化性疾患と口腔内・腸内細菌叢の関連性を調査した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は本研究参加者のリクルートを今までと同様に行い、検体数をさらに増やす予定である。唾液、糞便検体は1000検体を目標とする。目標検体に到達後に再度α多様性解析、β多様性解析、LEfSe解析を行い動脈硬化性疾患に関わる口腔・腸内細菌叢の同定を行う予定である。また、その内容を学会発表並びに論文化して報告する予定である。
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Causes of Carryover |
コロナ蔓延の影響で研究参加者のリクルート数が予想を下回ったため次年度使用額が生じた。 次年度使用額を含めて本年度は昨年度と同様に唾液・便検体の解析費用として使用する計画である。加えて、検体数が一定数集まれば学会発表や論文作成の資金にも使用する予定である。
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