2022 Fiscal Year Research-status Report
硬組織のエピジェネティックな加齢変化の評価と年齢推定への応用
Project/Area Number |
21K10253
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Research Institution | Hiroshima University |
Principal Investigator |
岡 広子 広島大学, 医系科学研究科(歯), 主任特任学術研究員 (60452588)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
北川 雅恵 広島大学, 病院(歯), 助教 (10403627) [Withdrawn]
宮内 睦美 広島大学, 医系科学研究科(歯), 教授 (50169265)
加藤 文紀 広島大学, 医系科学研究科(歯), 助教 (70452589)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 硬組織 / メチル化 / 石灰化 |
Outline of Annual Research Achievements |
2022年度はまず2021年度中に準備した石灰化培地培養後の各時間経過後の細胞株(歯根表面の細胞由来)検体を用いてメチル化アレイを実施した。その結果、過去に抜去歯歯根表面の検体で年齢との関連が確認できた1ターゲットについては培養細胞でも石灰化誘導によってメチル化率がわずかに高くなる傾向が認められた。メチル化アレイは1検体での検証であったため、メチル化アレイ結果についてリアルタイムPCRを用いて複数回確認すべく培養細胞でのプライマー条件を検討中である。また、細胞培養系にメチル化抑制剤を添加した群では細胞数増加および細胞石灰化が抑制された。これまでの検証では、培養細胞の石灰化関連因子の発現はメチル化抑制剤の添加により増強するものと減弱するものが認められている。メチル化抑制により発現に影響を受ける石灰化関連因子の有無について検証を進めている。 抜去歯検体については、新たに18検体の単純エックス線撮影画像を用いて組織学的計測後にDNAを抽出した。一方で、解析に用いている大臼歯は検体入手が比較的容易であるが基本的に複数根を有していることから単根の歯と比較して歯髄腔の形態もより複雑である。象牙質と歯髄腔の比を単純エックス線撮影画像では適切に評価できないことから、少なくとも歯髄腔については今回の検討から除外することとした。これまで実施してきた過去の抜去歯のメチル化スコアデータに、検体の歯槽骨吸収程度を情報に加えて再度解析を行ったところ、メチル化ターゲットのスコアに加えて歯槽骨吸収の程度も影響を与えていることが示唆された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
予算の前倒し請求が間に合わず、2021年度に予定していたメチル化アレイ実施が2022年度での実施となった。この結果を受けて2022年度に抜去歯検体と同じプライマーで株化培養細胞でもメチル化の検証を行う予定であったが、リアルタイムPCRの条件設定に時間がかかっている。現在、抜去歯検体と異なる設計でのプライマー使用を検討中である。
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Strategy for Future Research Activity |
歯根表面から樹立された細胞の石灰化培養系を用い、抜去歯検体で年齢と相関が認められたターゲットについてメチル化の時間的変化を検証する。 抜去歯検体については、メチル化の測定に加えてセメント質厚および歯を植立していた歯槽骨の吸収程度についての計測情報を追加し、実年齢との関連について検討を行う。石灰化の進行とともに各種石灰化因子の変化とメチル化スコアの関連について検証を行い、最終的に硬組織構成細胞の石灰化度(分化度)をメチル化によって評価できるか否かについて検討も行う。
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Causes of Carryover |
メチル化アレイによって確認したターゲットをリアルタイムPCRで確認するためのプライマー設計・条件検討中であるため、培養細胞を用いた検討の一部を2023年度に実施することとしている。そのため2022年度の培養およびリアルタイムPCR用の予算の一部も2023年度に使用予定である。また、2023年度は学会での発表を2回予定している。
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Research Products
(1 results)