2022 Fiscal Year Research-status Report
Transcriptional disruption in craniofacial neural crest by administration of drugs at the early stage of pregnancy possibly causes the HFM-like craniofacial malformation in rat embryos.
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21K10261
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Research Institution | Ohu University |
Principal Investigator |
今井 元 奥羽大学, 歯学部, 准教授 (90291343)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
鈴木 礼子 奥羽大学, 歯学部, 准教授 (90333723)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 頭部神経堤細胞(NCC) / 第1第2鰓弓症候群(HFM) / バルプロ酸(VPA) |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の作業目標は、『① 頭部神経堤の上皮間葉転換/脱上皮化(EMT)が、どのように阻害されるのか。② 頭部NCCの移動経路が、どのように攪乱されるのか。③脳神経の軸索ガイダンス因子が、どのように攪乱されるのか。④脳神経ニューロンの伸長が、どのように攪乱されるのか。⑤ 上顎・下顎・舌骨・耳小骨などに、どのような奇形を生じるのか。』などである。今年度は、推定受精時刻に個体差が大きかったSDラットから、受精時刻に個体差が殆ど生じないWistar-Imamichi ラットに系統を変え、目的とする発生ステージの胎仔を確実に得られる時刻を確定した。すなわち、同じ繁殖元から購入したWistar-Imamichi ラットにおける妊娠日齢・時刻とsomite(体節)数の関係を明らかにし、これによって、今までのSDラットの実験系では限界があった、胎仔の厳密な発生ステージ特異的なVPA投与の影響を、同じ発生ステージにある胎仔のサンプル数を揃えて解析することが可能になった。既に、上記の『⑤ 上顎・下顎・舌骨・耳小骨などに、どのような奇形を生じるのか。』に対する研究を進めている。すなわち、妊娠8日目のWistar-Imamichiラットの母獣 (胎仔の胎齢8.75:頭部神経堤形成期の直前に相当)を用いて、実験群にはVPA、対照群には生理食塩水を単回投与し、頭部NCCの形成と移動の撹乱を行った胚を妊娠20日目に摘出し、アルシアンブルー-アリザリンレッド染色をした透明化骨格標本を作成し、これらのサンプルの解析を進めている最中である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
理由 以下の3点により、やや遅れている。 1.2022年3月16日の福島県沖地震により、研究室の整備に少し時間を要した。 2.新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、動物や消耗品などの納入に時間を要した。 3.神経堤細胞の形成や移動に及ぼす影響を正確に解析するため、実験動物の系統を、より厳密な発生ステージが安定したWistar Imamichiラット(以前はSDラット) に変えたことにより、VPAの投与時期の決定に時間を要した。
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Strategy for Future Research Activity |
今後は、本年度、作成した実験群または対照群に対し、計画A~Eを行う。 計画A(E9.5:神経堤形成開始期): WISH/WIHCにて、中脳~後脳/ロンボメア(rh)におけるEMT関連因子(snail / slug /sox9)の局在を解析する。 計画B (E9.5-E10.5;頭部NCC移動期): (1) DiI標識法と全胚培養を用いて、中脳~rh4-6のNCCの移動経路を解析する。(2) WISH/Real-time PCRにより中脳~rh1,2(Sox10/Dlx3-6)及び rh4-6(Hoxa2)のNCCマーカーの局在を解析する。 計画C (E11.5; 軸索ガイダンス期): 上記③の解明のために、VPA投与群 及び 対照群のラット胚において、軸索ガイダンス因子(Sema3A)の局在や左右差を解析する。 計画D: (E12.5; 脳神経ニューロン分化期):頭部NCC由来の脳神経(Ⅴ, Ⅶ, Ⅸ, Ⅹ)のネットワーク攪乱の検証 (VPA投与群 及び 対照群のラット胚において、成熟ニューロンのマーカー(neurofilament)、未熟なニューロンのマーカー(βⅢ tublin)、プラコードのマーカー(Pax3)、及び、運動ニューロンのマーカー(Islet 1)の局在や左右差の順に解析を進める。 計画E (E20; 鰓弓骨格形成期):アルシアンブルー-アリザリンレッド染色を行った透明化骨格標本サンプルの上顎・下顎・舌骨の長径を計測し、左右差を検証する。
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Causes of Carryover |
次年度使用額が生じた理由は、 (1) 2022年3月16日の福島県沖地震による設備被害の影響が遷延・顕在化したことにより、予定通り実験を完了できなかったため、及び、(2) 新型コロナウイルス感染症蔓延の影響により、動物や消耗品などの納入に時間を要しため、及び、(3) 神経堤細胞の形成や移動に及ぼす影響を正確に解析するため、実験動物の系統を、より厳密な発生ステージが安定したWistar Imamichiラット(以前はSDラット)に変えたことにより、VPAの投与時期の決定に時間を要したためである。 次年度使用額は、令和5年度における消耗品の補充(購入)に充てる予定である。
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