2021 Fiscal Year Research-status Report
終末糖化産物に着目した食習慣からアプローチする歯周病リスクの検証
Project/Area Number |
21K10267
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Research Institution | Asahi University |
Principal Investigator |
東 哲司 朝日大学, 歯学部, 准教授 (80432649)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
入江 浩一郎 明海大学, 歯学部, 講師 (50509594)
友藤 孝明 朝日大学, 歯学部, 教授 (80335629)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 終末糖化産物 / 生活習慣 / 口腔の健康状態 |
Outline of Annual Research Achievements |
終末糖化産物(AGEs:Advanced Glycation End Products)は、蛋白質と糖が加熱されて生成される物質である。不適切な生活習慣は、体内におけるAGEsの蓄積を促進させる。そして、AGEsが血管に蓄積すると、血液循環が全身的に悪化することが報告されている。しかし、AGEsの蓄積と口腔の健康状態との関連は未だ不明である。そこで本研究では、健常ボランティア59名(男性41名、女性18名)を対象に、AGEsの蓄積の有無と口腔の健康状態および生活習慣との関連を検討した。 AGEsは、AGEs蛍光度を測定する装置(AGEsセンサ)を用いて測定した。対象者をAGEsの数値が低い方からA群、B群、C群、D群、E群の5群に分類した。その結果、今回の対象者のAGEsの数値が高いD群とE群に分類された者をAGEsの蓄積有りの者と定義した。口腔の健康状態は、現在歯数、歯周ポケットの深さおよびう蝕経験状態を評価した。生活習慣は、食習慣、運動習慣および睡眠状態について自己記入式質問票にて調査した。AGEsの蓄積の有無を従属変数、そして性別、年齢、4mm以上の歯周ポケットの有無、う蝕の未処置歯の有無、運動習慣の有無、糖質制限の有無、間食習慣の有無および睡眠状態を独立変数としたロジスティック回帰分析を行った。 今回の対象者のAGEsの分類の内訳は、A群(5名)、B群(24名)、C群(22名)、D群(6名)、E群(2名)となった。ロジスティック回帰分析の結果、AGEsの蓄積は、う蝕の未処置歯有り(オッズ比=8.009)、運動習慣有り(オッズ比=0.138)とそれぞれ有意な関連を認めた。4mm以上の歯周ポケットの有無とAGEsの蓄積との関連は認めなかった。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
当初の計画通り、終末糖化産物(AGEs)の蓄積の有無と口腔の健康状態および生活習慣との関連を横断的に検討することが出来た。
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Strategy for Future Research Activity |
終末糖化産物(AGEs)の蓄積の有無と口腔の健康状態および生活習慣との関連を縦断的に検討する。 AGEsの蓄積を認める人に対する食生活指導の口腔内細菌叢への影響を検討する。そのため、次年度は、ベースライン時の口腔内細菌叢を解析する予定である。
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Causes of Carryover |
今年度次世代シーケンサーを用いてベースライン時の口腔内細菌叢を解析する予定であったが、解析しなかったため、次年度解析する。
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