2021 Fiscal Year Research-status Report
Basic study of new periodontal disease prevention method using antibody drug
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21K10269
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Research Institution | Osaka Dental University |
Principal Investigator |
合田 征司 大阪歯科大学, 歯学部, 教授 (70351476)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 慢性歯周炎 / 中和抗体 / CX3CL1 |
Outline of Annual Research Achievements |
中和抗体(特に抗CX3CL1抗体)を用いて慢性歯周炎の抗体医薬開発を目指した基礎研究を行う。 CX3CL1はケモカイン(細胞遊走を誘導する炎症性サイトカイン様分子)であり、受容体は破骨前駆細胞、CD8陽性T細胞、NK細胞に発現が認められる。抗CX3CL1モノクローナル中和抗体はクローン病と関節リウマチを対象とした国内臨床試験において良好な安全性と忍容性、臨床活性を示し、新規メカニズムの抗体医薬として期待されている。関節リウマチ患者に慢性歯周炎がみられる確率が高いことが知られており、このような背景から、申請者は歯周炎局所でのCX3CL1の過剰な産生を抑制することが骨吸収を特徴とする歯周炎の進行抑制につながると考えている。 慢性歯周炎による骨吸収による抗CX3CL1抗体の影響を検討するために本年度行った研究は歯肉線維芽細胞をCX3CL1刺激によるRANKLの発現についてです。結果は、当初の実験計画であったウエスタンブロッティング法による解析では、ヒト歯肉線維芽細胞においてはRANKLの発現を同定する事が出来なかった。他の方法としてフローサイトメトリー法およびRT-PCR法において解析を行った結果、ヒト歯肉線維芽細胞においてCX3CL1刺激によるRANKLの発現がRT-PCR法で経時的な変化が認められた。骨吸収モデル実験においてはマウスにP. gingivalis感染を3回行い1か月後骨吸収の測定を拡大鏡およびマイクロCT撮影後、解析を行った。結果はP. gingivalis感染による顕著な骨吸収像が確認された。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
ヒト歯肉線維芽細胞をCX3CL1刺激によるRANKLの発現を検討したが、結果は、実験計画であるウエスタンブロッティング法による解析では、ヒト歯肉線維芽細胞においてはRANKLの発現を同定する事が出来なかった。更にCX3CL1刺激条件(濃度・時間)や抗体を変更し実験を行ったがRANKLの発現を確認する事が出来なかった。 そのため、新たに実験方法を練り直し、実験計画とは異なる実験方法を立案し、フローサイトメトリー法およびRT-PCR法で解析を行った。フローサイトメトリー法では、RANKLの発現は確認出来なかったが、RT-PCR法の解析では経時的変化を認めた。そのため当初予定していたより時間が掛かったが、結果は期待したものであった。マウスにおける慢性歯周炎骨吸収モデルの実験は予定通り進んでいる。現在のところ実験の進捗はやや遅れているが根本的な実験計画の変更はないと考えている。
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Strategy for Future Research Activity |
慢性歯周炎における抗CX3CL1抗体による骨吸収抑制を検討するために、抗CX3CL1抗体投与したマウスにおけるP. gingivalis感染における骨吸収の測定を行う予定である。 抗CX3CL1抗体による骨吸収抑制作用が認められた場合、抑制機序を解明するために病理組織学的検討を用いてP. gingivalis感染直後(24時間後)および感染後1か月の歯根膜組織おける破骨細胞・RANKL・CX3CL1の発現・マクロファージ・T細胞の浸潤の歯根膜組織への浸潤抑制、歯根膜組織のRANKL発現の抑制、破骨細胞分化抑制を検討する。
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Causes of Carryover |
実験が少し遅れたため、予算を全て使用する事が出来なかった。 次年度は、昨年の遅れを取り戻すために多くの実験を行う予定で、抗体などの試薬に充てる予定である。
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