2021 Fiscal Year Research-status Report
臨床研究における「被験者保護」の構造と運用に関する国内外比較論と今後の展望
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21K10278
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Research Institution | Osaka University |
Principal Investigator |
山本 洋一 大阪大学, 医学部附属病院, 教授 (20335342)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 被験者保護 / 臨床研究 / 国際認証 / AAHRPP |
Outline of Annual Research Achievements |
米国では、NPO団体であるAAHRPP(Association for the Accreditation of Human Research Protection Program)が、臨床研究実施施設の認証を行っている。要件として、第1領域:組織、第2領域:倫理委員会、第3領域:研究者と支援スタッフの3つに分類し、全体で62エレメントを公開しており、これが米国における被験者保護のスタンダードになっている。これを基に、日本における現状を整理し、課題を抽出した。多くの点は、臨床研究中核病院として承認される過程で満たされてきたが、ポリシーや標準業務手順書のあり方、被験者保護プログラムの考え方、責任研究者とスポンサーの責務、規制要件に対する考え方、倫理委員会の独立性の考え方、弱者に対する対応基準や被験者保護を担当する部署の体制、CAPA(是正措置・予防措置)の重要性、不遵守の考え方、組織の利益相反管理体制、委員会議事録や契約書の作成管理体制等課題が抽出された。これらは、「被験者保護~国内外比較論~」(仮称)にまとめていく予定である。 また、当該国際認証を受審するにあたり、日本における臨床研究体制を説明したが、治験・臨床研究法・倫理指針・再生医療という縦割り規制を理解してもらうのは容易ではなかった。今後は、できる限り国際的に使われている用語を取り入れるなどし、世界に開かれた規制を構築していくべきである。 今年度は、コロナウイルス感染症の長期化により、海外の現地調査と意見交換ができなかった。これらについては、継続して困難な場合は、今後ウェッブを活用して研究を進めていく方針である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
今年度は、コロナウイルス感染症の長期化により、海外の学会にはウェッブ参加できたが、海外の現地調査と直接の意見交換ができなかった。これらについては、今後ウェッブを活用して研究を進めていく方針である。
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Strategy for Future Research Activity |
海外への現地調査が困難な状況が続く場合には、ウェッブでの意見交換を推進し、対象は、米国を主として、欧州・アジアは、米国との比較において参考として実施していく方針である。
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Causes of Carryover |
コロナ禍の長期化により、海外学会への現地参加と調査、意見交換ができなかった。終息あるいは、出張可能な状況になれば、次年度実施する予定である。
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