2023 Fiscal Year Annual Research Report
Medial doctor's professional identity formation: roles of clinical experience and challenges
Project/Area Number |
21K10281
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Research Institution | Kagoshima University |
Principal Investigator |
田川 まさみ 鹿児島大学, 医歯学総合研究科, 客員研究員 (90261916)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | プロフェッショナル・アイデンティティ / 医学教育 / 経験 / 評価尺度 / 地域医療 |
Outline of Annual Research Achievements |
医師の専門的職業人としての利他的価値観や内面化された行動規範、社会性、自律性を示すprofessional identity formation (PIF)は医師育成の目標であり 国際的にも注目されている。本研究は、社会との関係性を経験する地域医療研修の重要性と、現在直面している急激な教育・研修環境の変化における医師育成の課題をPIFの観点から明らかにするために、プロフェッショナルな医師としての総合的な成長及び社会との関係性を示す発達ステージ特異的資質を定量的に評価可能な複数のPIF尺度を用いて検討した。地域医療に従事経験のある自治医科大学卒業生、自治医科大学及び鹿児島大学医学部6年次学生、研修医を対象に、PIF尺度27項目、年齢、性別、臨床経験及び地域医療従事年数、専門領域等に関するアンケート調査をwebで実施可能なフォーマットで2023年3月まで実施した。2023年度はデータ解析を実施した。 医学部6年生は鹿児島大学100名、自治医科大学64名、自治医科大学研修医45名、自治医科大学卒業生371名の回答が解析対象となった。PIFの総合的成長尺度であるDeveloping Score(DS)は68.1、67.5、66.5、74.1であり、医学生は大学間の差異はなく、また自治医科大学学生と研修医との差異も認めなかった。自治医科大学を卒業した医師のPIF尺度スコアは年齢、臨床経験年数、地域医療従事年数と有意な相関が認められた。また、医師の専門分野により年齢と発達ステージ特異的資質スコアの関係性が異なり、35歳未満の医師ではプライマリケア、外科を専門とする医師のスコアが他と比較して有意に高いことが示唆された。 2016-18年に実施した鹿児島大学での調査結果と比較すると、本研究での医学生のスコアは有意な差はなかったが研修医は低く、要因に関して更なる解析が必要となった。
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