2022 Fiscal Year Research-status Report
薬物治療の意思決定プロセスに影響する要因連関の可視化による医療安全対策の研究
Project/Area Number |
21K10282
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
渋谷 昭子 日本大学, 医学部, 助教 (20611619)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
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Keywords | 医療安全 / テキストマイニング / 意思決定 / 思考過程 / 薬物治療 |
Outline of Annual Research Achievements |
本研究の目的は、意志決定プロセスには価値観、感情、情報の影響による医療事故・ヒヤリハットの危険が内在するという新しい概念により、医療者の価値観、感情、情報との連関をテキストマニングにより分析・可視化することにより医療安全への問題解決方法を提案することである。令和4年度に実施した内容は下記のとおりである。 1. 医療事故・ヒヤリハット事例の抽出:(財)日本医療評価機構で公開している「医療事故報告書」から薬物治療において適切と考えられる事例について抽出を行った。 2. テキストマイニングを用いた分析:抽出した事例報告書について、テキストマイニング(Nazuki Emotion Analyser Library使用)により分析を行った。感情の分類法として、Plutchikの「感情の輪」における8つの基本感情を活用した。価値観については、Schwartzの「10種類の価値観」とそれらを統合する4つの高次群について検討した。また、感情と価値観の連関については、Tamirらの文献を参考に分析を行った。 3. VDPM(Visualization of Decision-making Process in Medicine)マップの検討:それらの結果を、意思決定プロセスに影響した価値観、感情や情報について、コレスポンデンス分析にて、多次元空間にプロットして連関を可視化するVDPMマップの検討を行った。最終年度は、パイロット的に医療事故とヒヤリハット事例報告書等のデータを用いてテキストマイニングによる分析を行い、意思決定プロセスに影響した価値観、感情や情報の連関を分析・可視化するより具体的なVDPMマップを作成する。さらに、アンケート調査等をパイロット的に行い、原因分析と活用の有用性について検証を行う予定である。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
令和4年度の研究計画として立案した内容についての進捗状況は下記のとおりである。 1. 医療事故・ヒヤリハット事例の抽出 (財)日本医療評価機構で公開している「医療事故報告書」から薬物治療において適切と考えられる事例について抽出を行った。 2. テキストマイニングを用いた分析とVDPMマップの検討 抽出した事例報告書における自由記載分の事故の背景要因の概要について、テキストマイニング(Nazuki Emotion Analyser Library使用)により、出現する単語や出現頻度等について分析を行った。感情の分類法として、Plutchikの「感情の輪」における8つの基本感情(喜び・信頼・恐れ・驚き・悲しみ・嫌悪・怒り・期待)を活用した。価値観については、Schwartzの「10種類の価値観」とそれらを統合する4つの高次群(変化への開放性と保存、自己増進と自己超越)について検討した。また、感情と価値観の連関については、Tamirらの文献を参考に分析を行った。それらの結果として、意思決定プロセスに影響した価値観、感情や情報について、コレスポンデンス分析を行い、連関を可視化するVDPMマップ上へのプロット・マッピング方法について検討を行った。 以上のことから、おおむね順調に進捗している。
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Strategy for Future Research Activity |
令和4年度の結果をもとに、パイロット的に医療事故とヒヤリハット事例報告書等のデータを用いてテキストマイニングによる分析を行い、意思決定プロセスに影響した価値観、感情や情報の連関を分析・可視化するより具体的なVDPMマップを作成する。さらに、アンケート調査等をパイロット的に行い、原因分析と活用の有用性について検証を行う予定である。さらに、最終結果を国内外の学会発表、論文などにより公表する予定である。
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Causes of Carryover |
(理由)令和4年度は、予定していた国内の学会等参加についてオンラインでのWeb開催に変更になったことや、日程調整が折り合わず、参加できなかったこと等により旅費等の次年度使用が生じた。 (使用計画)次年度は、スケジュール管理を徹底し、成果発表のための国内外の学会等への参加や、調査・情報収集のための打ち合わせへの参加の回数を増やし、計画に沿った旅費の使用を行う。
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