2023 Fiscal Year Research-status Report
Verification of a recording method for the effectiveness and the error in both protection of auditory information during conversation and evaluation of ambient sounds in healthcare facilities.
Project/Area Number |
21K10288
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Research Institution | Nihon University |
Principal Investigator |
小山 由美 日本大学, 薬学部, 講師 (50318458)
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Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
豊谷 純 日本大学, 生産工学部, 教授 (70459866)
森長 誠 大同大学, 工学部, 講師 (70536846)
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Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2025-03-31
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Keywords | スピーチプライバシー / 情報の秘匿化 / 新規測定技術 / 医療施設 / 音環境 |
Outline of Annual Research Achievements |
音声情報を秘匿化(断片化)するアプリケーション(秘匿化アプリ)の実用化に向け検証を続けている。昨年度は音声を一時的でもPCに保存しないで秘匿化収録できるようにプログラムを修正し、実際に医療現場で使用されている医療装置のアラーム音(輸液ポンプ及び生体モニター)を試験音として評価を行った。2023年度はこれらのアラーム音と朗読音(女性ナレーター)を詳細に解析した。その結果、秘匿化アプリで収録した朗読音のオクターブバンド周波数の等価騒音レベル(Leq)は秘匿化処理をしてもほぼ変わらないことが確認された。医療装置のアラーム音は、8 kHz以上で騒音計で波形収録した試験音と正確に一致したとは言えない結果となった。これは収録に用いたPCの違いによるものと推測され、原因を調べている。これらの結果は「On a recording method for ambient sounds with a confidential speech」として国際学会(Inter-Noise 2023 Congress)にて報告した。 秘匿化アプリ収録音と騒音計収録音の周波数特性及びその等価騒音レベル(Leq)は8 kHz以上ではほぼ同じであることが確認できたことから、会話情報を含む音声の秘匿化について検討を開始した。文章サンプルは李等が以前行った文章了解度試験(心理試験)用に作成したものを使用し、ナレーター(男性・女性)により読み上げられ、その音声を収録した。音声の秘匿化(断片化)は、Sound Engine(フリーソフト)を利用したオリジナルプログラムにより処理し試験音とした。実験条件は、以前合成音声サンプルを用いて検証したときの音声了解度試験に従った。それに加え、話速の違いや性別による音声の違いについて検討を行っている。
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Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
3: Progress in research has been slightly delayed.
Reason
音声情報を秘匿化(断片化)して収録する新規測定技術の実用化に向けて、PCアプリケーション(秘匿化アプリ)の修正と安全精度の検証を進めており、以下の課題に対応するためやや遅れている。波形収録した騒音計のデータと秘匿化アプリで収録したデータを比べると8 kHz以上でオクターブバンド周波数の等価騒音レベル(Leq)に違いが生じたため、PC(機種)の違いによる可能性をメインに原因を調べる。また、秘匿化アプリの操作性や収録時間の長さに課題が見えてきた。この課題は実用段階では予算をかけて改善することが望ましいが、現段階では収録時間の限界を補うため分析・解析数を増やして検証を進めている。 現在行っている文章了解度試験による秘匿化(断片化)の検討は、これまで無教室を利用して試験をおこなってきたが使用期間に縛りがあることから、研究環境を制限しない方法を取り入れて検討を進める。
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Strategy for Future Research Activity |
会話情報(スピーチプライバシー)を保護しながら環境音を測定・評価する手法の確立を目指し、2024年度は以下の検討を計画している。 1)秘匿化アプリに組み込む秘匿化(断片化)条件を決定するため、文章了解度試験は無教室に制限せず、ヘッドフォンを使用した方法を含めて検討する。森長を中心にダミーヘッドを用いて心理実験を進める。再生レベルは以下の手順で校正して実施する。 ・校正信号(予め音圧レベルが分かっている信号)はダミーヘッドを使用して録音する。・ヘッドフォンをダミーヘッドに装着し、実験刺激を入力してデータレコーダーで録音する。・校正信号とヘッドフォンから再生した実験刺激の音圧レベル差を計算して実験刺激の音圧レベルを定義する。 2)協力施設(薬局等)にて本測定技術を試行し、環境音測定と会話情報の保護を両立する測定手法の実用化を検討する。患者が存在しない時間帯で医療者の活動音(会話)を含む環境音を測定(収録)し、会話の漏洩とその他の雑音(騒音)に着目して分析を行う。波形収録が可能な騒音計、及び秘匿化アプリをインストールしたPCタブレット(収録マイクはuTestMic)を用いて、医療者の目の前で収録し、秘匿化された音声及び完全な音声データはその場で医療者が確認し、問題がないことを確認の上、研究室にて解析を行う。 3)波形収録した騒音計のデータと秘匿化アプリで収録したデータを比べると、8 kHz以上でオクターブバンド周波数の等価騒音レベル(Leq)に違いが生じたため、秘匿化アプリを搭載するPCの違いをメインに原因を探る。
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Causes of Carryover |
新規測定技術の検証には文章了解度試験が必要であるが、無教室の使用スケジュールの都合により2022年に予定していた実験は2023年度に実施した。そのため、当初2023年度に予定していた心理実験は2024年度に行う計画である。そのため、予定されていた被験者謝金の使用は翌年に変更となった。 2023年度は国際学会(Inter-Noise2023)で成果報告を行ったが、開催国が日本(千葉県)であり、発表者の所在地も千葉県であったことから旅費がかからなかった。2024年度は研究協力者清水が活動する浜松でダミーヘッド実験を行うことから、旅費(交通費及び宿泊費)に使用する計画である。
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