2021 Fiscal Year Research-status Report
Study to clarify factors related to vaccine hesitancy in older adults
Project/Area Number |
21K10323
|
Research Institution | Niigata University |
Principal Investigator |
齋藤 孔良 新潟大学, 医歯学系, 助教 (30460356)
|
Co-Investigator(Kenkyū-buntansha) |
近藤 克則 千葉大学, 予防医学センター, 教授 (20298558)
佐藤 豪竜 京都大学, 医学研究科, 助教 (20867965)
|
Project Period (FY) |
2021-04-01 – 2024-03-31
|
Keywords | 65歳以上の高齢者 / 肺炎 / 肺炎球菌予防接種 / フレイル / ソーシャルキャピタル |
Outline of Annual Research Achievements |
①研究代表者らは、ソーシャルキャピタル(社会的資本)が肺炎球菌予防接種を促す可能性を明らかにした研究成果を国際学術誌に発表した。65歳以上の高齢者に対するアンケート調査データを解析した結果、社会参加、社会的結束、互酬性の3つのソーシャルキャピタルがある高齢者は、それらのソーシャルキャピタルがない高齢者と比べて、肺炎球菌予防接種を受けている人がそれぞれ13%、5%、34%多いことを明らかにした。また、上記の3つのソーシャルキャピタルがなくても、社会参加の豊かな地域に住んでいる高齢者は、社会参加が標準的な地域に比べ肺炎球菌予防接種を受けている人が3%多いことを明らかにした(2021年5月18日、BMJ Open誌)。 ②研究代表者らは、フレイル(老衰)高齢者では、フレイル無しの高齢者と比べて1.9倍肺炎にかかりやすく、また1.8倍肺炎が重症化しやすい(入院措置になりやすい)こと、また、フレイルの前段階にある高齢者でも、フレイル無しの高齢者と比べて1.3倍肺炎にかかりやすくなる可能性を明らかにした。また、研究代表者らは、口腔機能低下またはうつ状態に該当した高齢者は肺炎にかかりやすく、日常生活動作低下または閉じこもりに該当する高齢者では、肺炎で入院しやすくなる可能性を明らかにした(2021年4月12日、Scientific reports誌)。この研究成果は、フレイル高齢者において、予防接種により肺炎の発症および重症化を防ぐことが重要であることを裏付けた。
|
Current Status of Research Progress |
Current Status of Research Progress
2: Research has progressed on the whole more than it was originally planned.
Reason
研究代表者らは、高齢者のワクチン忌避に関わる要因を明らかにするため、以下の3項目の作業を行っている。①高齢者の呼吸器感染症およびそれらの感染症に対する予防接種に関わる未発表の因子を明らかにした2報の論文を投稿中である。②研究代表者らは、既に発表済みまたは論文投稿中以外に、高齢者のワクチン忌避の要因に関する未発表データを複数得ており、それらの要因について明らかにした研究成果の論文化を行っている。③高齢者における新型コロナウイルス予防接種に対するワクチン忌避の要因を明らかにする調査に使用するアンケート質問表の作成を行っている。
|
Strategy for Future Research Activity |
研究代表者らは、高齢者のワクチン忌避に関わる要因を明らかにするため、以下の3つの成果を予定している。①未発表の高齢者のワクチン忌避の要因に関する研究成果の論文化および国際学術誌への投稿を今年度中に終える予定である。②上記以外の高齢者のワクチン忌避またはワクチン接種に関わる新規要因を明らかにする統計解析も引き続き行っていく。③高齢者における新型コロナウイルス予防接種に対する質問表は今年行われる調査前までには完成させる予定である。
|
Causes of Carryover |
昨年度に論文掲載費として380,000円を計上していたが、当該論文はまだ査読中である。今年度内の論文掲載を見込んでいるため、今年度中に支出する予定である。
|
Research Products
(4 results)